トワイライト裏業務日誌 2006年1月・2月
1月19日
{仁義礼智忠信孝悌}
 正月の特番「里見八犬伝」をご覧になられた方も少なくないと思うのです。
 オレも、いわゆる正月特別番組の多くは、あまり特異じゃないので、年末年始の楽しみは、ああいう歴史モノの長時間ドラマなんだけど、我らが矢田亜希子を撃沈していまった憎きO君はともかく、タッキーも成長したなぁと、なぜか感慨深い思いをしたのです。
 その八犬士が持つ玉に上記タイトルの8つの漢字が浮き出てくるのは、わざわざ説明するまでもない事だけど、最後に犬江信兵衛の手から「仁」が出てきて、みんなが感慨深げだったシーンをご記憶の方も少なくないと思う。
 もちろん、苦難の末にすべて揃ったという1つの段階を超えた感慨もあるけど、それより前のシーンで「仁」は特別な意味を持つというセリフがあったのをご存知でしょうか?
 この8つの字は、儒教の思想を前提にしたもので、儒教では「仁」というのは、残りの7つ「義礼智忠信孝悌」を先に兼ね備えた者だけが、「仁」を持ち合わせる事ができるという、8つの中で、特別な文字と考え方なのです。(玉を持てるという話ではなく、儒教の思想としての意味です)
 だから、最後に「仁」が見つかったわけだし、その仁を持っている犬江信兵衛を感慨深げに受け止めたというわけなのです。
 特に、多少歴史に興味をお持ちの方であれば、江戸時代は幕府の方針として、儒教(朱子学)を重視していたため、武士の流れを汲む作者が、儒教の思想を前提に物語のストーリーを組み立てている部分が多いのです。(タッキーの持つ、「孝」が最初に登場するのも、儒教的には大変重要な意味があります)
 というように、正月特番歴史ドラマ(ただし八犬伝はフィクションで、江戸時代に書かれたものだけど、舞台は戦国時代です)でも、そういう事を知っていると、尚更深く楽しめるので、是非皆さん、歴史にも興味を持ってください。
 そして歴史に飽きたら、ウチの取扱商品にも興味を!(爆)
1月24日 カリスマの終焉
 ライブドア事件は、わざわざオレが詳細について触れる必要もなく、皆さんも十分に情報を得ていらっしゃると思う。
 特定の分野で、才能を如何なく発揮し世間に認められている人を「カリスマ」と称するようになって、10年近くが経過したけど、振り返ってもらえればわかるように、様々な業界で彗星の如く登場し、今回のようにメッキがはがれて消え去ったカリスマの多いのは、事業家は言うに及ばず、果ては無免許美容師まで枚挙にいとまが無いのは、過去の事件を思い起こしてもらえば簡単にわかると思います。
 ただ、なぜこのような事になるのかという点については、誰もあまり言及していないので、少し皆さんにも理解してもらいたいと思って触れる事にしたのです。
 そもそものカリスマとは違い、過去カリスマとして賞賛を浴びた人達を思い起こしてください。
 多くの場合は、それぞれの分野で、本当に詳しい知識などを持っている人がカリスマとして認定しているのではなく、また、例えば利用者が仕事の内容の深い意味での素晴らしさに驚嘆し自然発生的にカリスマという称号をつけているのでもなく、ただ単にマスコミ、メディアが情報番組などを作成する際に、素人的な視点で一見良さそうに思える(話題性があるという程度の場合が多い)対象者をカリスマとして作り上げているに過ぎないケースが多いのです。
 その作り上げられたニセ・カリスマに実力以上の評価を見て、専門的知識を十分に持ち合わせていない利用者が間に受けて信じ込んでいたというのが、これまで何度と無く繰り返されてきたパターンで、今回も全く同じなのです。
 ここで個別の名前を挙げる気は無いけど、今もそういう作り上げたカリスマとして実態以上の賞賛を浴びて、メディアを利用しているニセ・カリスマは決して少なくないし、悲しい事に自分の実力以上の差は、なかなか自分自身では認識するのは難しいので、なかなか厄介な話だと思うけど、少なくとも、メディアは、その業界のプロとしても十分に通用する眼で、取り上げる人間をちゃんと評価してから登場させてもらいたいと願っています。
 例えば、30点、60点、そして90点のソバ屋があるとする。
 評価する人の味覚の実力が仮に50点だったとすると、30点と60点の店は容易に実力の差が理解できるものの、60点と90点の違いを理解できるかどうかは非常にアヤシイのです。
 ましてや、味の評価であっても、60点と90点に違いが感じられない(評価者が60点以下の味覚判断力しかないので同じに思える)から、店の作りが60点のほうが綺麗だとか、番組作成者に好意的というような理由だけで、60点をカリスマとして担ぎ出す事が、とてもよくみられるのです。
 これは情報番組に限らず、報道の解説者の選択でも同じ事があり、オレ程度の認識で見ていても、「とても、その分野の専門家」とは思えないレベルの専門家が全国ネットの報道番組で解説しているケースも多いので、間違った認識を多くの視聴者に与えていると感じるのです。
 だからこそ、評価者のレベルを磨き上げ、せめて50点から80点になることで、60点と90点のソバ屋の違いを認識してから取り上げて欲しいと思っています。

 ちなみに、マーケティングを非常勤として教えているオレが言うと実もフタも無いけど、本当に実力を備えている人間は、自分からあまりアピールはしない傾向があるものです。
1月29日
 「新春!」と書くと、「何を今更書いとるねんアホ!」と言われかねないけど、本来の新春は本日です。
 よく1月1日の年賀の挨拶に使われているごく普通の言葉だけど、実は太陽暦の1月1日に使う言葉ではないのです。
 旧暦である太陰暦(太陰太陽暦)の1月〜3月までを春といい、年が変わった事もあって旧暦の1月1日を「新春」とも呼ぶわけなのです。
 というわけで、今日は旧暦の新年を祝う日で、中国の生活習慣の良い点を1つ挙げれば、今も旧暦が生活の中心になっている事で、新年を祝う「春節」を祝うのはそのためなのです。
 自動車業界の中で、旧暦をスケジュールに用いているようなヤツは、良くも悪くもオレだけだと思うけど、実は旧暦は非常に使いでがあるので、少し紹介してみます。

{七夕はなぜ7月7日なのか?}
 皆さんは、なぜ7月7日なのか疑問に感じた事はありませんか?
 中国から伝わって現存している行事に1月1日は新年を祝い、3月3日はひな祭り、5月5日の端午の節句を考えると、同じ奇数の月日の重ねあった日を何かで祝うとお考えになられても不思議はありません。
 オレも過去の伝統などから奇数を重視する認識も知っているし、そんなノリで7月7日なんだと以前は思っていたのです。
 ところがこれには大きな事を時代の流れの中で見失っていた事があるのです。
 元々7月7日という日を七夕にしていたのは変わりないものの、実は旧暦で言う7月7日なのです。
 今の太陽暦を基準に置くようになり、1ヶ月前後旧暦とずれが生じたにも関わらず、そのまま太陽暦の7月7日に七夕を持って来たため、なぜこの日に七夕が行われるのか、本来の意味を誰も気付かないようになってしまったというのが実情なのです。
 実は、旧暦の7月7日(太陽暦では、今年の場合7月31日)というのは、ちょうど天の川に月が重なる日なんだそうです。
 それによってその日は、天の川が月明かりで見えなくなるので、一見川が無くなったように見えることで、織姫と彦星の逢瀬が叶うというわけなのです。(太陽暦の7月7日の夜空をいくら眺めても、これはわかるわけはありません)
 ついでに言うと、桃の節句(3月3日)に桃が咲いているのか?端午の節句に菖蒲が取れるのかというと、結局咲いたりするタイミングを無理して早めた栽培を行わないと無理なんだけど、どちらも旧暦で合わせると、当然その時期のモノなのです。(だから、本来旧暦で祝うものなのです)
 こういう話は、実は7月7日だけの話ではなく、元々旧暦には日常に関わる事象がたくさんあって、太陽暦が前提の今の日本では、1月15日が満月の夜かどうかというのは、データを調べないとわからないけど、昔の人や旧暦をまだ重視している中国などでは、(旧暦の)1月15日と言えば、もちろん満月なのは誰でもわかるのです。(旧暦では、微妙なずれを除き、新月の日を毎月1日、満月の日が15日というように、月齢が日になっています)

 以上の話は、「まぁ、知らなくても済むけど、知ってたほうが良い程度」のネタかも知れません。
 しかし、何で旧暦が生まれたかというと、生活に便利(かつ重要)な暦だからであり、例えば、農業でも作物の種まき時期(おおまかな時期だけでなく、蒔く具体的な日まで)、刈り取り時期だって旧暦を用いると太陽暦よりもピンボケのタイミングにならなくて、年ごとの季節の移ろい時期の違いに惑わされる事も無いだけでなく、元気な作物が育つものなのです。(とある農家の方に伝えると、眼からウロコだったそうです)
 例年(平均値だと思いますが)に比べて、春が遅いとか、冬が早い、秋が長いと、毎年のように天気予報で使われているトークだけど、これも元々旧暦で読み解けば、ほぼピッタリで、旧暦にを基準にした場合に、太陽暦が勝手に早くなったり、遅くなったりしているだけだという事を理解できれば、旧暦の偉大さを理解できると思います。
 他にも、花見の予定、行楽のスケジュールなど、遊びにも使える暦なのです。
2月3日
 ウチのHPを、この裏業務日誌以外も適正?にご覧いただいている方であれば、1日にカロッツェリアのバージョンアップ・ナビソフト「CNDV-R500」と「CNDV-2600」にバグが発見されて、対象機種は全数交換を前提にメーカーは準備を進めているというご案内を目にされたと思うのです。(実は、商売上ご利用いただいていない方どころか、車をお持ちでない方で日誌だけ読んでいるという方も少なくないらしいのです・・・す・素直に笑えん・・・涙)
 これは、少なくとも現時点(2月3日の23時半)では、メーカーのHPにもそのことがまだ報道されていない事実なんだけど、恐らく週明けにはメーカーHPに発表されると思われる内容なのです。
 ウチの場合、世間的な傾向を考えると、異常なくらいナビソフトを販売しているため、この問題を重視し、すぐに商品ページにも一旦お取り扱いを休止するご案内だけでなく、これまでお買い上げいただいた皆様に、全数メールで状況と今後の対処についてご連絡したのです。
 正直言って、とても大変な作業だったんだけど、多くの方にとってメーカーHPというのは、何か興味がある商品を探す時にはアクセスしても、購入後頻繁にアクセスされるケースはあまりないはずなので、メーカーがHPで交換を呼びかけても、知らない方は少なくないというような状況になると判断したのです。
 1日夜に眠い眼を擦りながらせっせと夜なべをしながらメールをお届けしたら、何人かのお客さんからお返事をいただいたのです。
 そのメールは、「利益にもならないのにそういうフォローまでしてもらって嬉しい」という感想や、「昨今の事件を見ると、明らかに自分のところに責任があるのに、その事さえ責任転嫁に躍起になっている会社が目立つ最中、利用者サイドに立ち、迅速な情報提供をしていただき、貴店の誠実な一面をうかがい知る事ができ、とても良かったと感じた」というような、ちょっと持ち上げられ過ぎなのでは?と思うような反響に、日頃グータラ人間である自分を恥ずかしく感じながらメールを読ませていただいたのです。
 個人的には、それくらいやって当たり前かな?と思える対応を、喜んでいただくのは個人的にも嬉しい反面、あまりにも目先の利益に汲々とし過ぎた対応が目立つ今の社会に問題があり過ぎるという側面が問題なんだろうなぁ・・・と思わずにはいられなかったワケです。

 皆さんも、オレと同じ考えの方は少なくないはずだと思うんだけど、やはり「悪い知らせは早く」というのはとても大切な考え方だと思います。
2月8日 とっても丁寧!?
 ウチにご注文をいただいた方ならご存知だと思うんだけど、ウチの場合、ご注文後に「ご注文内容の確認メール」、確認のご返信をいただいたら、入荷見込みとお届け見込みのご案内、出荷時には出荷情報のご案内と、進捗するごとにご案内するようにしているのです。
 ネットショップの中には、届くまでノーアクションという所も少なくないらしく、それこそ「不安で眠れぬ夜を過ごす事も少なくないのに、アンタのところは安心できた」というご連絡を頻繁にいただくのは嬉しい限りです。

 それはともかく、かねてから「可能であれば持ちたい」と思っていたデジカメ1眼レフを仕事の都合で購入せざるを得なくなり、先日、ディーラー時代から時々利用していた関東のカメラ屋さんに問合せたのです。
 まずは、HPも持っている店なので、とりあえずHPをチェックすると、ボディだけ69,800円と書いてあり、「(松田優作のマネで)なんじゃこりゃ〜・・・この値段!」と、安さに驚いたのです。(機種は、カメラから撤退を発表した某メーカーの最高機種)
 デジカメ1眼レフって、ググッと高い気がしていたけど、もしかして最近の高倍率ズームレンズが高いだけで、ボディはそんなモノなのか?と思いながら、オレのレンズなどが使用できるかどうかメーカーに確認し、改めてHPを見ると、なんと削除されていたのです。
 と・・いう事は、撤退も発表したし、もしかして「取扱中止になったか?」と思いながら電話をしてみたのです。
 「すみません、昨日までHPに掲載されていた某機種69,800円は、今もお取り扱いがありますか?」と、心配半分で聞いてみると、いかにもマニュアル対応しそうな店員Aさんが
 「某機種69,800円はあり得ないですね」(あ・あり得ないって・・掲載してあったじゃん)
 「中古のコーナーと見間違えられたんじゃないですか?」(注、ここの中古のコーナーは、検索条件を入れて検索するようになっているので、間違ってそっちを見るワケはないのです)
 オレとしては、元々69,800円という価格は、非常に理解不能で妥当性の無い価格だったので、別に「昨日まで掲載してあったんだから、その価格で何とかしろ!」なんて言うつもりは毛頭無く、価格掲載ミスならそれでも構わないから、入手可能かどうか、そして価格はいくらなのかを聞きたいだけなので、その事を告げると
 「某機種は99,800円です」という回答だったのです。
 はぁ・・・やっぱりそれが普通だよなぁと思いながら電話を切り、最終的に注文する決心をして送料がわからなかったし、電話は話中が多かったのでFAXで注文し、その総額を返信してもらうようにお願いしていたら、1時間もしない間に店員Bさんから返事が届き、何と某機種は83,800円になっていました(爆)
 「どれがホンマやねん」と思いつつも、もちろん99,800円に変更されては大変困るので、83,800円+必須の付属品+送料で注文したのです。

 すると、1時間程度で電話がかかり、Bさんから「某機種は、どうも今後入荷するかどうかはっきりしない」との事らしく、たまたま金曜夕方だったので、「メーカーに詳しい確認をお願いできない状況で判断してもロクな事はないべ」と思い、「週明けに、メーカーに詳しい状況を確認していただいてからで構いません」とお返事したのです。
 そうすると、なぜかメーカーが休みのはずの翌日土曜に店員Cさんから電話がかかり「某機種は、入荷見込みがはっきりしておらず〜以下略」と説明されるので、「昨日〜略〜という事でお願いしていますから、週明け確認後の状況で相談させていただくので構いませんから」と同じ説明をしたんだけど、これは今から思うと、まだまだご愛嬌でした。

 週明けに、「若干数入荷するので、確保できますが、日程がはっきりしないため、入荷した段階でご連絡します」と説明を受け、ホッとしながら仕事に邁進していると、意外にも今日昼には「某機種が入荷しました」と電話が入ったのです。
 「色々対応していただきありがとうございます。本日振り込みますのでよろしくお願いします」と回答し、速攻でなけなし(涙)の代金を振り込み、次の仕事に邁進していると、その後再び携帯に着信があったのを気付いていなかったのです。
 見ると、伝言もあったので、聞いてみると「何々カメラです、ご注文をいただいておりました某機種が入荷いたしました。12日までのお取り置きになりますのでよろしくお願いします」というメッセージだったのです。
 「あんさん、何言うてまんねん。さっき振込もしたがな」と、手の甲でツッコミを入れたい気分だったけど、ま、さっき伝えたんだし、入金確認してくれりゃわかるだろうと思い、そのまま仕事をしていたのです。
 夕闇が包み込み、オレの胃袋が空腹を訴え始めた頃に、またも携帯に着信があり、今度は出てみると「何々カメラです、ご注文をいただいておりました某機種が入荷いたしました。」というので、「あの〜すみません。今日の昼から同じご連絡いただいたの3件目ですよ。もう今日扱いで入金も済ませているので、確認して出荷をお願いします」というと、盛んに恐縮されておりました。
 返事が「無しの”つぶて”」なのも困りもんだけど、3人から連絡があってもねぇ・・・
 きっと、ISOの思想に基づいた仕事のルーティンなんて構築できていないんだと思うけど、誰が見ても、お客さん毎の進捗が一目でわかるようなチェックリストみたいなものが無いと「無駄に忙しい思いをするだけ」になりかねないので、是非オレをコンサルに起用しませんか?(爆)(いい仕事をします)
 しかし、対応の迅速さだけは、ウチ顔負けなくらいの速さなので、そういう意味では昔どおり安心ではあったカメラ屋さんでした。
 ちなみに、何で仕事関連でデジカメボディを購入する事になったかは、近いうちに白状します。

P.S.(今日の願い!?)
 今日連絡された3人が、それぞれ入金を確認して、それぞれ出荷して3台届かないかな?(爆)
2月16日
{スタッドレス}
 先日、早くもスタッドレスから、ノーマルタイヤへの交換依頼があった時に、お客さんであるGさんが一言「新枝さん、なんで冬用のタイヤをスタッドレスって言うわけ?」と、当然の疑問のようで、最近まず聞かれる事の無い質問があったのです。
 「最近」とわざわざ断ったのは、以前は稀にそういう質問があったわけなんだけど、オレもここ5年は間違いなく1度たりとも耳にしていない質問なのです。
 というのも、このGさん、若くて、英語が堪能(残念ながら?男性です・・笑)なので、スタッドレスのスタッドの意味を考えたらしいのです。
 そう、例えば、冬用だからウインタータイヤとか、雪用だからスノータイヤ(この名称は過去に存在した)と呼ぶなら納得だけど、いきなりスタッドの無い(レス)タイヤと言われてもねぇ・・・というのがGさんの論拠らしい。
 特に何々”レス”という呼称の製品は、自動車業界に限らず数多く存在しているけど、スタッドという単語は、知らなければ気にならないらしいものの、スタッド=鋲という事を知っていると、鋲の無いタイヤだと言われても、鋲がタイヤに付いていないのは当たり前で、当たり前の事を何で名称にするのかが納得いかなかったそうなのです。
 さすがに英語堪能とは言えないオレでも、業界人の端くれなので、当然のように理解していたんだけど、もしかしてグッと若い世代には、レコード以上に死語なんじゃないかと思い、その後、20代前半までを対象に聞きまくってみると、やはりというかビックリというか、鋲の打ってあった「スパイクタイヤ」の存在を知らない人が圧倒的だったのです。
 凍結路を安全走行する目的で、雪道用スノータイヤにスパイクピンが打ってあるスパイクタイヤが、非降雪路で制動距離が伸びたり、舗装面のセンターラインなどを削って粉塵公害になったために廃止になったという経緯を知らずに、スタッドという単語の意味を知っていると、確かにGさんのように不思議に思えても当然なのかも知れません。(時の流れは恐ろしい)

 ちなみに、タイヤにはもう1つ、”レス”という言葉の付くタイヤがあって、高速用スポーツタイヤに「ジョイントレス構造」を有しているタイヤがあるけど、これは高速回転するタイヤの構造的継ぎ目をなくす事で、剥離や振動を防ぎ高速走行性能を向上させようという設計技術的な用語なので、ご存知の方のほうがむしろマニアックだと言えます。
 ただ、このジョイントレス構造が本当に効果をもたらすのは、250km/h以上の世界なので、合法的には体感できません。

{カメラ到着の顛末}
 3台届くかと心待ちにしていたものの、届いた台数はシッカリと1台だけでした(残念! 3台届いたら、1台はスペアに、もう1台は誰かに買ってもらおうと思っていたのに…笑)
 そこで、説明書を読みながら機能を覚えはじめたんだけど、ホントに高機能で、「よく、こんな事まで考えるなぁ」と思うくらい満載です。
 何しろ、フィルムタイプの1眼レフの時に、カメラの操作、フィルムの選択、プリント時の設定、フィルターでの調整などでやっていたのが、このカメラだとほとんどカメラ1台でこなせてしまうのです。
 これなら、「ウデに頼らずに、カメラに頼れる」などとアホな事を考えながら、レンズを換えて撮影してみた後に、外付けのストロボを装着して撮影してみると撮影後の画像を見ると「真っ白」!
 その画像を見たオレの頭のほうが真っ白じゃ!と心の中で思わず突っ込みを入れながら、飛ばし読みしていた説明書を読むと、レンズは以前のモノでも互換性があるものの、どうもストロボが光量などをシンクロできるのは、同じ世代のストロボだけで、後は思いっきり光るんだそうです。(だから真っ白…涙)
 というわけで、新品が市場から急速に消え去ろうとしているストロボを探し当て、ようやく注文できたんだけど、カメラが3台届いていれば、このストロボの資金になったと思うと残念でなりません。(と言いながら、昨日取引先から届いた伝票の価格が、取り決めより安かったので、わざわざ「安いよこれ」と連絡し、価格を高く変更してもらうような小市民なので、3台着服する事はできませんが)

{業務連絡}
 日誌愛読者のWちゃんへ。
 「連日チェックしとるのに、更新しとらんじゃないか」というご指摘に応えて、久々に更新してみました。
 これだけ書いたらOKでしょ?(爆)
2月17日
 昨日小田急のロマンスカーが駅を通過する際に、男性が飛び込み自殺を図り、前面展望室のガラスが割れ、破片で乗客が手を切ったりして怪我をしたというのは、ニュースでお聞きになられている方も多いと思います。
 これを受け、小田急では、乗客の安全が確保できるまで、展望席の発売を中止すると発表したそうです。
 この展望室というのは、小田急のロマンスカーの昔からの「ウリ」でもあり、魅力でもあるのは、関東圏の方であればご存知だったり、実際に利用された経験をお持ちの方も多いと思うのです。
 そして、今回、こういう事故が起きて、乗客の安全確保ができるかどうか懸念が生じたような話になっているけど、実は、かなり昔から事故時の安全性については、心有る方々の間では議論があったのです。

 勉強不足なので、前面に展望席を設置した最初が昔の小田急かどうかは確信がないんだけど、小田急が最もインパクトを与えたのは間違いありません。
 その後、国鉄も民営化前に乗客へのサービスという事で、(前に運転席はあるものの、ガラス越しに)前面の風景を楽しめるパノラマカーや、小田急のように運転席を2階に設置し、まさに先頭に座席を用意した展望車が一般的になってきたんだけど、例えば踏み切りで重量車両と衝突した時に乗客の安全を確保できるのか?という議論や、危険性の指摘はなされていたのです。
 特に、速度を出す特急などは、衝突時のエネルギーも大きく、それを緩衝できるゾーンが無く、すぐに乗客の座席があるのは良くないというのが安全重視の考え方なのです。

 最近、そういうデザインではない車両も多いので、「そういう思想もある」という程度で読んでいただいて構わないと思うけど、特急に使う車両が、普通用の車両と異なって、高いところに運転席があり、先頭車両の前端から座席までの間に、かなりの距離があるのは、何も「カッコ良く」するためのデザインだけではなく、運転席を高くして遠くの見通しを改善して、異常事態を早期発見するため、車などとの衝突時に運転士や、乗客を守るためという思想があるので、あのようなデザインになっているという一面があるのです。
 ただ、座席に着席していて、前面展望を楽しめると、退屈もしにくいというのも事実だし、それを望む声も多かったのです。

 パノラマカーの前面デザインは、判で押したように斜めにカットされているデザインの「スラント・ノーズ」形状になっているのも、空力や展望の開口面積、上部への見通し、そして「カッコ良さ」だけでなく、飛来物や、何かが衝突で当った時に、エネルギーを浅い角度で斜め後上方に逃がしやすいためのデザインとしても考えているはずなのです。
 何しろ、金太郎アメみたいに、垂直に切った大きなガラス前面に、飛来物が当ると、モロにすべてのエネルギーをガラスが受け止めてしまうので、まずいワケです。
(この思想は、戦車のデザインにも採用されていて、飛来してきた砲弾のエネルギーをなるべく削ぐために重要なデザインで、戦車などの思想では”避弾経始”と言います)
 そうは言っても、重量物が高速で衝突すると、所詮ガラスなので割れるのは避けられないけど、今回のように、重量的にも、固さ的にも、ダメージが大きくないはずの人体が衝突したのに、ガラスが飛散し穴があいた(と報じられています)という報道には、オレもとても驚いているのです。
 車と違って、車両の設計基準を知らないけど、皆さんも想像されているように、車以上の速度で走行する電車の前面のガラスだから、「合わせガラス」で、それ相応の強度が確保できるような厚さだと考えていたのに、ヒビだらけになり、ベロンと押し込められたような形状になるのならまだしも、簡単に大穴が開く…という事であれば、それはかなり問題のような気がするのは、オレだけでしょうか?
 皆さんは、どう思われますか?

 JR九州の特急には、前に運転席があるものの、その後の大きなガラス越しに前面展望が楽しめる車両があるんだけど、踏み切りなどで衝突が予想される状況になると、運転士の判断で、その運転席後のガラスに電流を流し透明ではなくなり、衝突の状況を目の当たりにしなくても済むという親切なのかどうか判断に迷う機能?を備えた車両も存在しています。
2月22日
 「新枝さんが言ってたように、春への移ろいが、昨年よりも早いのは確かみたいじゃね〜(by広島弁)」色々な方に言われているものの、雨や曇りに悩まされ続けの新枝です。
 なんで、悩まされるのかというと、某仕事上の準備のための撮影ができないからで、曇りでも問題ない撮影には成功したものの、特殊な撮影法を用いるために、(曇りなのに)まさかの露出オーバーにも悩まされています(涙)
 とまぁ、4月上旬までに確定申告の次に時間との戦いを演じなければいけないこの作戦、来月の後半にでもなれば、皆さんにも白状できると思うんだけど、理屈はわかっていて、頭でも理解しているけど、実際に自分の趣味と違うという事で、経験の無い対象物への撮影は、なかなか大変な思いです。

{神戸空港で感じる事}
 今になってあの狭い空域に3つも空港がひしめいて、「空の安全やいかに?」なんて事を書くつもりはありません。
 ただ、その空港の出発方式を見た時に感じた事は、「この空港を離陸する飛行機は、燃費悪いだろうなぁ」という事です。
 そんな話は、誰もしていないだろうと思うので、日誌に書く事にしたんだけど、ジェット旅客機は、離陸すると、空気抵抗を減らすためにも、なるべく速やかに適当な高度まで上昇するべきなのです。
 ところが、混雑する航空路で、先行する航空機が多く、ホントは40,000フィートの高度で飛びたいのに、36,000フィートに抑えられて飛び続けるだけでも、それなりの燃費の悪化を招くんだけど、この神戸空港ってところは、伊丹と関空の離着陸のトラフィックの中をかいくぐらないといけないので、離陸も着陸も空港に接近したり、離れていくルートが同じなのです。
 もちろん、離陸機と着陸機の正面衝突を避けるために、離陸機は、離陸後450mというベッコベコに低い高度を維持したまましばらく飛び続ける事になるようなのです。
 という事は、離陸後、すぐに計器飛行が許される14,000フィート以上に上昇できないので、その間の燃費は相当悪いはずだから、チーム6%とか言ってる環境問題的にもNGと言えるような事を日常的に繰り返すしかなさそうです。
 でも、燃費が悪い事は、まぁ、ある意味金で解決できる問題とも言えるけど、普通の人(一応オレも普通の人のつもりではあるけど…)の感覚では、気にならないだろうけど、個人的には気になる問題としては、離陸後、十分な高度が取れないまま飛行するというのは、すぐに高度を確保して飛行するよりも、実は危険なことなのです。
 なんか、素の人間的な感覚を重視すると、空を飛ぶこと自体危険な事だけど、高いところを飛ぶより、低いところのほうが、何かあったら陸地が近いから安全のように感じてもおかしくないし、多くの方がそう思うはずだけど、低いところを飛んでいて、何かトラブルがあると、これは正直言って危険というか、危険に遭遇するまでの時間的猶予が無い状態なのです。
 例えば、双発の飛行機で、神戸を離陸して450mを飛行している時に、片方のエンジンが停止したとする。
 単にそれだけであれば、日頃の訓練の成果を発揮して、何のためらいも無く残り片側のエンジンだけど着陸できると思うけど、その時に、もう1つ何かトラブルを抱えたり、残りのエンジンの不調で高度を維持し難いまま旋回して引き返すという事になれば、心臓バックバクのはずなのです。
 皆さんも高校の物理の時間に、爆睡したり、弁当食ったり、アンパンマンの絵を書いていなければ覚えていると思うけど、高さが高いというのは、位置エネルギーが大きいという事なので、仮にエンジンがすべてアウトになっても、高度を徐々に下げる事で、かなりの範囲まで移動できるから、場合によっては十分に飛行場にたどり着けるけど、ベッコベコに低い高度だと、抵抗が大きいわ、位置エネルギーは無いわで、そりゃ大変なワケなのです。
 そういう意味で、トラブルが最近目立っている航空業界だからこそ、この点は神戸空港の不安な一面でもある気がします。

 ついでに言うと、何の問題も無い時は、3空港に離発着する航空機を一括して管制するシステムを関空に設置して大丈夫らしいけど、何かトラブルが発生した場合、うまく数多い航空機を縫うように誘導できるのだろうか?と、色々な事を考えれば考えるほど、夜も眠れなくなっちゃいます。

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