トワイライト裏業務日誌 2005年7月・8月
7月2日
 あっという間に今年も半分過ぎたけど、皆さんは計画の半分をクリアしましたか?
 オレは、元々そんな長期計画を持ち合わせていないけど、今日が2月1日くらいなら、ちょうど良い進捗状況のような気がしてます(わ・笑えん!)
 ここのところ、これまでのお客さんや、オレが担当した学生や受講された方に紹介していただいて、仕事をご依頼いただく事が多かったんだけど、やっぱり嬉しいのは、紹介して良かった、紹介してもらって良かったと感じてもらえる事なのです。
 特に、紹介してもらう方としては、紹介者の事も考えないといけないので、言いたい事が言いにくかったり、聞きたいことも聞きにくいという事もあると思うし、せっかく紹介してもらったから、断り難いなんて事を考えてしまう方も少なくないはずなので、オレは最初に伺う時は、紹介者の厚意に応えるためだけに行くようにしているのです。
 要するに、売るために、そこに出かけて販売促進活動をするのではなく、アドバイザーとして、紹介されたお客さんにどんな選択肢があり、その得失は何かという事を中心に説明し、ウチで対応できる事とできない事を説明するのです。
 さらに、最近問題になっているリフォーム詐欺の防止策じゃないけど、ウチ以外の選択肢もあれば、それも含めて「ゆっくり検討して」もらうように薦めています。
 これであれば、紹介してもらった方の面目は保てるし、紹介された方にとっても、「ちょっと不満だけど、まぁいいか」というような気持ちで依頼いただかなくても済むからなんだけど、ウチの特徴をよーく把握している方の紹介のせいか、気持ちよくご依頼いただく事が多いのは、まさに紹介者の人徳以外の何物でもないという事だと痛く納得してます。(ホントにトワイライト親衛隊の皆さん、いつもありがとうございます)
 濡れ手に粟のような商売とか、金を湯水のように使える生活はできないにしても、詐欺なんてやらなくても、人を大切にすれば、そこそこ仕事ができるのになぁ・・・というのが、最近のニュースを見て、しみじみ感じる事です。

{驚愕の宮大工技術 ”自動車”番外編}
 過去6回にわたって取り上げた中世以前の寺社建築だけど、ホントはまだまだ書きたい事が多いんだけど、とりあえず第1クールとしては、一旦終わります。
 「単なる昔の建物に過ぎないと思っていたのに、意外と深いんだとビックリした」という方ばかりではなく、「いくら脱線日誌だからといっても、脱線も限度を超えているでぇ」とお嘆きの方も少なくないと思うけど、この一連の内容を考えてみる上でだんだん気になってきた事があるのです。
 それは、ここ20年の流れである車の「高剛性ボディ」がホントに良いのか?という点なのです。
 昔のモノコック・ボディは、非常に剛性が低く、そしてコーナリング性能を向上するために、やたらめったら固い「ハーダーサス」を装備した車が全盛を極めた。
 その後、高剛性ボディを開発されて、次第に固く剛性の高いボディになるにしたがって、ボディがぶれないので、同じコーナリング性能を実現するのに、サスペンションの異常な固さを要求されなくなり、オマケとして乗り心地を手に入れる事ができるようになった。
 そして、高剛性ボディのメリットとされるのは、それだけではなく、衝突安全性の向上にも寄与できるという効果もあった。
 でも、ボディがたわまなくなった分、必要とされるストロークを、ホンの短いサスペンションのストロークで担当しなくてはならないために、限界領域では、むしろ危険な破綻の仕方をする車も生み出してきたという一面もあるのです。(このへんは、想定以上の振動にどう対処するかという点での西欧的発想の建築と、中世以前の寺社建築の考え方の対比と、非常に似た問題を抱えているように感じます)
 また、高剛性ボディは、軽量化どころか、重量増加を促進し、今の軽自動車なんて、20年前のファミリア、カローラの車重と変わらないので、燃費改善と京都議定書の目標実現には逆行しているだけでなく、どの車も重くなっているので、衝突安全ボディになったからと言っても、衝突する相手も重量化、高剛性化しているため、期待しているほどの結果が得られているとは言えないし、人や物への破壊エネルギーは、当然大きくなっているのです。
 だからと言って、昔の単なるヘナチョコボディに戻れというつもりではなく、軽量化も含めて、どのような理念の構造に変化させていくべきなのか、この宮大工シリーズは、何かを暗示しているような気がしています。

{寺社見学ツアー?}
 正直言って、これまで神社仏閣に訪れた時に、オレは何を見ていたのだろう・・・と、情けなく感じるほど、自分の視点は甘かったというのが感想でした。
 もっと理解する事で、東洋的発想の本質的な良さを理解できるのではないかと、今日も1冊本を注文したんだけど、改めて、奈良方面に時間を作って行って見たいという気持ちになってます。
 というワケで、誰か思いっきり寺社見学ツアーをしたい方がいらっしゃれば、是非連れて行ってください(爆)
 なかなか旅行誌ではわからない事を紹介できる事まちがいナシです!
 もう1つ、必要な道具だと痛感したのは、一眼レフタイプのデジカメです。
 上層階の垂木や木組みをシッカリと画像に収めるためには、ハンパなカメラじゃダメだと実感したので、今所有のレンズ群を利用できるコニカミノルタのα-7 DIGITALを欲しくなっている今日この頃です。(手放す方は、是非ご一報を!)
7月9日
 連日の雨にゲップも出ない・・・と書こうと思って”げっぷ”を変換すると「月賦」と表示されました。(この用語、何歳までの世代がわかるんだろう・・・死語の仲間入りかも?)

{アスベスト被害}
 連日「アスベスト被害がさらに広がりをみせています」と報道されているこの事件。
 本当は、潜伏期間が長いため、今後も発症者が増加するという意味では被害拡大はあるんだけど、マスコミの言っているのはそういう広がりではなく、すでに生じている被害が、さらに明らかになったという意味だから、ちょっと表現がおかしいなぁと思いながら、オレも関心を持ってみています。
 というのも、以前は車のブレーキパッドやブレーキシューもアスベストを含有しているのが当たり前だったため、特にドラムブレーキを分解する12ヶ月点検や、車検時には、ドラムを外すと、内部に磨耗粉が大量に堆積していて、それをどうやって除去するかというと、エアガンで吹き飛ばしているのが一般的だったのです。
 しかも、粉塵が肺に良くないと認識されるまでに相当時間がかかっていたので、作業中マスクさえも装着していなかった時代は、驚くほど長かったので、自動車整備に関わった方々の追跡調査を、関係機関や団体は是非実施して欲しいと思っています。
 アスベスト自体は、種類によって影響度の強いものやそれほどでもないものがあるようなんだけど、オレも正直言ってブレーキに使用されていたのがどの程度の悪性があるのか知らないのです。
 そして、仮に今回問題になっているように中皮腫などを発症されていた場合、自動車業界ではその補償や因果関係をどのように捉えるのか、実に気になるところなのです。
 問題は、中小整備工場は言うに及ばず、メーカー系ディーラーにおいても、相当合併や倒産、会社整理を繰り返しているため、もし雇用者責任という判断になった場合、因果関係も立証されても、補償を求める先が無いという事にもなりかねず、今は大手製造企業(例クボタ)のような現存する企業の被害と補償対応がクローズアップされているけど、現存しない企業に勤務していた人達の事ももっと考えて取り上げてもらいたいと考えています。
7月10日 よく働いたかな??
 皆さんは、何かの”ついで”が重なった事はありますか?
 今回は仕事の話なので、本当は「ついで」という表現は使いたくないんだけど、わかりやすく表現する上での「ついで」ネタです。

 今日の予定スケジュールは、まず先週初頭にパトロール一郎さんからのリクエストで、ウチから約30kmほど中国山地方面に入ったイチローさんの自宅まで遠征して、ブレーキ関連の作業を実施する事になったのです。
 この日誌にも色々なネタで登場しているイチローさんの事でもあるので、もちろん快諾していたのです。
 次に、先週の日曜に、これまた常連のFクンが、ウチでのオススメのエンジン処理剤を取りに来た際に、Fクンのお兄さんと一緒に来ていて、ついでにエアコンのコンプレッサーの内部処理もしたいと言ってもらったものの、ガスと処理剤を注入するための特殊工具を、一般修理のために貸し出していて、その日に作業できなかったのです。
 そこで、イチローさんと同じ方向(ただしイチローさん宅より、さらに山間部に25km先)のF兄弟なので、「来週の日曜は、そっち方面に作業に行くので、午後で良ければついでに作業に行っても構わないよ」というと、「じゃ、2台分作業して」という事で、同じ方面3台の出張作業となったのです。
 これまでの同一遠征で3台というのは経験あるけど、体力的にキツイのはイチローさんの1台だけなので、「まぁ、ドライブがてら、和気藹々と仕事できるお客さんばかりだから楽しい1日になるなぁ」と思っていたら、一昨日の夜遅くに、さらに常連のOさんからの相談で、「エンジン切ってPレンジに入れてもキーが抜けなくなった」という連絡があったのです。
 翌日(昨日)がスケジュール的に無理だったので、時間が遅くなければ当日に行くところなんだけど、さすがにそれから用意すると深夜1時を過ぎてしまい、かえってOさんに迷惑をかけそうなので、「スンマセン。日曜の朝にそちら方面に作業に行くので、ちょっと時間帯は早いのですが、9時前であればちょっと寄って、状況を確認できますけどいかがですか?」と提案すると、「わざわざ来てもらうのは・・・」と気にされていたので、「元々そちら方面へ行く予定なので”ついで”ですから大丈夫です」というと、OKをいただいたので、同じ方面4台作業遠征になってしまった今日の1日です。(1日の出張作業台数だけでは新記録!)
 特に心配なのは、イチローさんの作業時に雨が降らないかという事だったんだけど、yahooの天気を見ると、意外な事に全時間帯1mm以上の雨は降らないと表示されているので「これってホンマかぁ??」と、正直言って半信半疑で出かけたものの、最初のOさんの時はたまにパラパラ程度、イチローさんの時は、前半はOKで、終わりの15分くらいから多少降りはじめ、作業終わってからシッカリと降り出したので、「ムフフ・・・やっぱ行いがええねぇ」と一人悦にいった新枝でした。(F兄弟は駐車場に屋根があるので問題なしです)
 その後Fクンの家にお邪魔してみると、なんとFクンの弟も居て久々の再会に盛り上がり(実はF3兄弟とも、以前からウチのお客さんなのです)作業の後も色々な話をしたんだけど、たまたま同じ方面の仕事が重なったおかげで、ゆっくり話もでき、意外にもFクンのお兄さんが、オレの従兄弟と同じ職場で仕事をしていたのが発覚したり、とても「ついで」の話ではありませんでした。(ウチの姓は珍しいもんね・・・悪い事はできん!?)

{大工の技術 番外編その2}
 ちなみに、このFクン(中心人物の次男)は、5年前から途方も無い?事を企てているのです。
 数年前の日誌にも書いたんだけど、彼はプラネタリウムというか、三沢基地などにある多面体のレーダードームのような奇妙な形の家をキットで組み立てているのです。
 すでに着手から5年経過しているので、当然「いつまで時間をかけるつもりやねん」と、当然その話題になって、「まぁまぁ新枝さん、ついでに見に行きませんか?」と、建築現場に連れて行かれたんだけど、基本構造と外壁は完成していて、内部の工事の最中だったのです。
 細かな部分の作業の苦労の痕もうかがい知れ(Fクンの職業は、大工ではありません)、アドバイスとも突っ込みともわからないトークも連発したんだけど、サシガネの話になったのでサシガネの使い方の基本編を披露すると、「そんなん知らなかった」と兄弟含めてビックリしていたのです。
 実は、あのサシガネという金属製の直角定規のようなモノは、実に”つかいで”のある道具で、単なる長さ測定具でもなく、直角測定具でもなく、直線をひくモノサシでも無いのです。
 Fクンも当初、分度器を購入して角度の測定などに使おうとしたらしいけど、あれって製図に使うならともかく、現場では意外と使いにくく、それを指摘するとFクンも「そうなんすよ。使いにくくて」と言ってました。

 オレも、ディーラー時代に、スピーカーボードやスピーカーボックスの特注を受けて制作している時に、何度となく使っていたサシガネだけど、実は、正直に白状すると、当時この道具の奥深さを全く理解できていなかったのです。
 表と裏の目盛りが違うのも、当時はメートル法と尺貫法の違い(本当は違って、もっと奥深い数値の違いです)くらいだと勝手に思い込んでいたんだけど、あの表と裏の目盛りを活用する事で、ルート計算や円周の計算、そして丸太から切り出せる角材の大きさも判断できる等など・・・まさに測定具+計算機のスーパーマシンなのです。
 その奥深さを近年知った時には、もちろん声も出ないくらいの驚きと、奈良時代以前の工人の智恵に頭が下がる思いだったので、家を建てないにしても、スピーカーボックスを量産していたあの頃に、この知識を持っていたら、ラクにもっと複雑な工夫ができたのになぁと思ったものなのです。
 というワケで、Fクンの家の内装は、今後寸法もバッチリな仕上がりになる事間違いなし(の”はず”)なので、完成時が楽しみです!(教えなくていいから、手伝ってくれというツッコミもありました・・・笑)

P.S.
 ちなみに、プラネタリウムハウスから戻る間は、とんでもないどしゃ降りで、思わず一言「どこが降雨予想0mmやねん!」
7月18日
 朝4時起きだなんて、もはやネットショップの勤務時間とは思えないけど、4時に起きて仕事を片付け、ちょっとばかり「鍛えられ」に行ってきました。
 なにで鍛えられたかというと、ヒンズースクワット500回でもなければ、ラーメン替え玉5回でもなく、ちょっとマジメな話で、除細動器(心臓が止まったようにみえる”心室細動”を正常なリズムに戻す、あの電気ショックの事で、オレが使えるのは半自動タイプでAEDとも言います)の使用を認定してもらうライセンスを取得する講習を受けてきたわけです。

 ウチのお客さんや、オレの周りにも業界人を含め、非業界人(もちろん、自動車業界以外という意味ではなく、非医療従事者という意味です)数名の除細動器を使える人がいるんだけど、オレも講習を受けたい希望は、ずっと前から持っていたものの、うまく調整できなくてズルズルと今日に至ったのです。
 何しろ、広島では意外とチャンスが無く、こういう意味でも広島の立ち遅れを実感していたんだけど、幸か不幸か島根県の六日市まで遠征する事で、受講できると紹介してもらったので、朝も早よから乗り込んだというワケなのです。
 人口比率で言うと、隣の山口県は、広島よりも劣勢のはずなのに、このAEDの普及に関しては、広島よりも何歩も先を行っていて、すでに多くの人が集まる公共の施設にかなりの数の配備計画を進めているので、そういう意味でも広島は、かなり立ち遅れているのです。

 ちなみに、今回のAEDの講習はAHA Heartsaver AEDコースで、AHAと略称されるアメリカの心臓協会(American Heart Association)という、こういう事の世界的標準の手順などを決める親玉みたいなところの認定(日本ではACLS協会)の講習で、インストラクターが救命救急もしくは循環器系のドクターで、アシスタントとして、サポートしてもらう方々も、救急救命士か、救命系の看護師なのはもちろんの事、受講する参加メンバーも、看護師、病院のスタッフ、医療機器メーカーのスタッフばかりで、多分、医療関係者以外なのはオレだけだった気がするので、「まぁ、普通に大丈夫」とかワケのわからんトークに安心してスタートラインに並んでみたら、他の選手はカール・ルイスやモーリス・グリーンばかりだったみたいなカンジではありました。(ペアになった方も、オレの仕事を聞いてビックリしていました)

 というような、凄まじいプレッシャーを感じながら小市民のオレは格闘したワケだけど、座学のビデオも早起きにも関わらず居眠りせず、実技も「とても優秀」と評価をもらって、学科も100点満点となり、おかげ様でライセンスをゲットさせていただきました。
 学科も状況判断や、一連の手技などを質問されるものの、一応1次救命処置(BLS)を、ちょっとだけかじったオレでも前夜にテキストを2回通読しただけで満点取れるレベル(ただし、問題数が少ないので4つ間違うと、悲しいかなアウトになるので注意してください)なので、皆さんも、もし興味があって職場にAEDが配備されそうな雰囲気の方は、是非受講してみてください。(さすがに、まだ自前で所有できるような価格ではないのです)
 ま、これまで心肺蘇生を全く勉強した事が無かった方が、突然テキストを渡され、一読んだだけで講習でカンタンにクリア・・・というのは、もしかすると難しいかも知れないけど、1次救命処置(BLS)ほどでなく、自動車学校で学んだ心肺蘇生のそれぞれの手順を「何でそういう手順でやるのだろう」という事をじっくり考えてみて、その上でテキストを予習すればきっと大丈夫〜☆・・・こういう時だけ流行りに合わせて星を使うなってね(笑)

 ただ、オレの教えている学生に、最近の自動車学校で教えている心肺蘇生方法を聞いてみると、どうも古いガイドラインを元に心肺蘇生のカリキュラムが組まれているままのようなカンジなので、ちょっと手順や手法が違うかも知れません。
 ちなみに、AED認定の講習を受ける上で使用するマニュアルにも、なぜ、その時にそういう手技を行うのかというような根拠については、あまり書いてないので、かえって覚え難く、丸暗記すると、いざ試験の時に緊張で「頭真っ白」になってボロボロの結果になりかねないので、もし事前の勉強中に、細かい背景や根拠を理解したいという方は協力&応援するので、聞いてください。(東京まで教えに来い!と言われると、ちょっとキツイですが)
7月20日
 メールでの反応だけでなく、日誌を読んだ方で、この2日会う事があった方数名からAED講習について色々質問されたのは、日誌の反響の大きさに改めてビックリです。
 実際に受講するかどうかはともかく、興味はあるという方は少なくないのは、以前から感じている事なので、なるべく実態を伝える事ができればと、以前からこういう事については、聞かれた時にはなるべく時間を取るようにしているんだけど、そういう興味を持たれている方でも、実際に講習となると敷居が高く感じられるのか、なかなかそういう決心ができないようなのです。
 18日に受講したAED講習の場合、所要時間は半日だけど、費用が8,000円と決して安いとはいえない費用だし、特にそういう器具まで使った講習というと、「やっぱり私のレベルではムリかも?」なんて思ってしまう事も多いようです。
 オレも、AEDを含めた高度なテクニックを身に付けてもらえれば理想的だとは思うんだけど、そうでなくても1次救命処置(BLS)の中の緊急度の高い内容の心肺蘇生や窒息への対処などでもマスターしておいてもらえれば、もし身の回りで何かあった際には、かなり違った結果になるし、これまでもそういう点については、リクエストがあれば手順だけでなく考え方などを紹介していたので、AEDはともかく、そういう基本的な手技だけでも皆さんもマスターしてもらえればと願っています。
 そういう手順は、各地域の赤十字や消防局などでも講習を開催しているので、興味があれば関係機関に問合せしてもらうと具体的な講習内容やスケジュールがわかると思いますよ。(例、広島市消防局の場合だと、定期的な開催だけでなく、10人以上を集めて講習をリクエストしたら随時開催してくれる講習もあるようです)
 それに加えてAED講習にも参加されたいという事であれば言う事なし!だけど、一昨日書いたように、職場にAEDが配置されているか配置されそうなところに勤務されている方以外だと、現実問題として、まだAEDが使えても、近くから探して持ってくる時間と、AEDを搭載している高規格救急車の到着とどちらが早いかという事を考えると、まだまだ付近を捜してAEDを持ってくるほうが時間が短いというケースは少ないと思うので、是非先に心肺蘇生法などをマスターしてください。

 ただ、以前から感じている事をちょっと書いてみると、日本の金の使い方は、活きていない使い方が多いと、こういう点でも感じています。
 例えば、AED講習は、AHA以外の講習を見ても、8,000円以下の講習はほとんど無く、8,000〜10,000円くらいなんだけど、この金額についても色々考える事があるのです。
 オレは、AHA(ACLS協会)の講習しか内容は知らないけど、あれだけのスタッフと機材を揃えて実施するには、受講生1人あたりの負担として8,000円というのは、主催者側の立場で考えると、とても取り過ぎとは言えないほど労力をかけてあり、インストラクターをはじめ指導側は、かなりの犠牲を払いながら、うまく運営できるように努力をされているのです。
 でも、参加者としては、手元にAEDが無いので現実味が無いというだけでなく、決して10,000円程度の受講料が安いとは言えないので、いまいち参加に踏ん切りがつかないという部分もあるだろうし、もっと言えば、AEDを使えるようになるライセンスを持つと言う事は、自分の利益や収入のためになるスキルではないので、言い換えれば自分以外の人のための努力なのです。
 そういう他人や社会のためだけの努力をする人に個人的負担を強いなければいけない現状というのは、やはり考え直してもらうべき事だと思うのです。
 そして、現在おおむね30万円くらいするAEDも、構造的には、量産すれば飛躍的に価格を下げる事が可能な程度の器具だし、サイズや重量も、もっと小さくする事は、とても容易なものなのです。
 という事になると、オレの講義でコスト分析の授業を受けた方なら「はは〜、あの考えだな」とお気づきだと思うけど、発想を根本から変えたとして、AED講習受講の費用負担が限りなくゼロに近くなって、ライセンスを持つ人が激増し、各家庭に1台AEDを配置するくらいの考えを前提に、再設計、量産上のコスト分析をすれば、プレステ並みの価格に抑える事ができるし、小型軽量化すれば、バッグの中に常時入れておく事だって難しくは無くなるのです。
 仮に30万円から3万円に価格が下がり、その半分を補助できれば、普及は急速にすすむのが間違いないというのは、皆さんも理解してもらえると思います。

 でも、国家財政が厳しい中で、そんな講習や購入への予算補助なんて現実的ではないと考えられる方も少なくないと思うけど、心肺停止状態が長くて、蘇生できても重篤な後遺症を抱えて長期間入院しつづける人が、想像以上に多い現状を考えると、その間の治療費負担が軽減されるなど、社会的負担は相当軽くなる面も含めてお金の使い方を再検討してもらえれば、決してムリな考え方ではないと感じています。(そして、長くなるので省略するけど、これによって病院経営が難しくなる事も無いのです)
 国家の予算というのは、どうしても縦割りの考えなので、いわゆる民間の経営計画と違って、ここでこれだけのカネを投入すれば、こちらが浮くし便利になるなんていう、色々な波及効果を十分に反映できていないのが大きな問題の1つだけど、是非そういった事に携わる方には、もっとそういう視点で検討してもらいたいと願っています。(必要なら時間をとって説明くらいしますから!)
 なぜ、心肺蘇生手技などをマスターしておかないと良くないかというのは、秋にならないうちに、そういう部分をまとめたコーナーを用意するつもりなので、是非マスターされていない皆さん、その時にはアクセスしてみてください。
7月23日
 関東の地震で多くの方が、直接ではなくても様々な形で間接被害を受けられていると思いますが、心よりお見舞い申し上げます。

 ここ数日、”なんだかんだ”と寝るのが午前4時頃になるわ、朝は6時半頃になっているわと、今晩こそは爆睡できそうなので、今日の唯一の楽しみ?と化している新枝です。(酒も入れれば2つの楽しみ!)
 今日も、朝からアチコチに動き、車検のエアコン不調や、タイヤ交換でも作業時のTシャツが汗で絞れそうな状態になりながら、クーラー病無縁の生活を送っていた1日でした。
 そのタイヤ交換の作業も、作業自体は難しく無いものの、タイヤを外して、何気なくリアドラム部分に目をやると、ブレーキフルード漏れの痕が左右にあるのです。
 ちょっと漏れの程度まで判断できなかったので、ブレーキマスターのリザーブタンクを見ると、ピッカピカのブレーキフルードがFULLレベルまできちんと入っていたので「昔の漏れの痕なんかなぁ」と思いつつ、フロントガラスのステッカーを見ると、先週車検を実施してあったのです。
 そうなると、車検整備時にブレーキフルードが大量に付着したのに、洗浄せずに放置しているだけか、整備時に漏れがあったのに、そのままにしているのかという問題があるんだけど、何度かブレーキを踏んだ程度では、フルードが漏れてにじみ出るのは確認できなかったので、お客さんにその事を伝え、経過観察する際の、わかりやすいポイントを伝えたんだけど、細かなことは省略するとしても、残念だけど某メーカー系ディーラーの車検とは思えない荒さが目立っていました。
 ここ数年感じる事が多いんだけど、オレが在籍していた頃のディーラーの車検と、今のディーラーの車検は、あまりにも隔絶の感が・・・
 というワケで、皆さんもあまりブランドに惑わされないよーにしてくださいね。

{抜かずの剣}
 日本最速の法律家であるブースカさんに、オレのAED講習を日誌で読まれてメールをもらったのです。
 オレとブースカさんとのメールの内容は、ホントに公表できないのが残念なくらい深く、いつも内容が濃いんだけど、5月に広島に来られた時に、救命処置について、オレが考えている事を少し紹介した際の事を、よく覚えてもらっていて、それについて触れてあったので、皆さんにも紹介しようと思うのです。
 実は、心肺蘇生にせよ、除細動器を使用するシチュエーションにせよ、オレは、少しでも多くの状況に対処できるように、少しは時間を作りながら勉強や、研究もしているし、学校などで多くの方と接する立場なのを活かし、なるべき救命処置の必要性と重要性を触れて、1人でも多くの方にマスターしてもらうようにしているんだけど、いつも願っているのは、こういう努力は結果としてムダになって欲しいと願っているのです。
 ムダという表現を使うと誤解を招きかねないんだけど、極力、どのような状況にも対処できるような努力をし、多くの方に必然性を訴えかけ、それに共感していただいた方に、少しでもマスターしてもらっているんだけど、それがそれぞれの方にとって、身の回りの方に不幸な事が生じる事が無かったがために、「あはは・・・新枝は、あんなに大騒ぎして必然性を叫んでいたけど、結局誰も助ける機会さえなかったじゃないか」というように、「備えがあっても何も起こらなかった」的なムダになる事が、最も嬉しい事だと思っているのです。
 何も無く、学んだ事・研究した事を、いつでも発揮できるように臨戦体制を整えておきながら、ムダになる事を望んでいるというのは、誤解を恐れずに言えば、まさに軍事力と同じ考え方だけど、是非、皆さんもそういう意味で、ムダな時間と、ムダな知識に興味を持ってくださいね。
7月26日
 梅雨が明けてから作業のご依頼が多いのは、天候に左右されずに良い反面、暑いのが辛いのも事実で「夜のビール!夜のビール!」などと、呪文のように唱えながら、昼の暑さを乗り越えている今日この頃です(ある意味、マゾ状態?)
 さて、今日も午後に戻ってから速攻で、タイヤ+アンテナ交換の車を取りに行って工場で作業したんだけど、意外と体感温度が低く、比較的過ごしやすく作業できたのは、まさに幸いでした。(でも、作業後に着替えたのは、いつもの事です)

{排気量と体感動力性能}
 先日も、車検のご相談に応えるために、近郊に出かけた際に同じ話題になったんだけど、いわゆるパワーウエイトレシオの数値がホントに妥当かどうかという話です。
 ハイパワーモデルの場合、多少は参考にできるとは思うんだけど、特に、1500〜2000ccまでのラインナップの車種だった場合、1500とか1600ccというような、ある意味中途半端な排気量とパワー(トルクを含めて)のエンジンを搭載している車の場合、そういうスペックではなく、開発時にメーカーがどこまで熟成させたかという姿勢などが大きく影響しているように感じるのです。
 どこの車がアカンかというのは、ココには書かないけど、逆に良好な動力性能として挙げる多くの車の1つに、今日のタイヤ交換のヴィッツがあるように感じます。
 初代ヴィッツのお客さんは、さすがにベストセラー車種だっただけあって、ウチでも1000cc〜RSまで数台のお客さんがいるんだけど、今日のタイヤ交換は、その1000ccなのです。
 普通、上記のような排気量バリエーションだと、1000ccには、とてもマトモな動力性能なんて期待できない・・・と思いきや、知らずに乗ってから、後で車検証見たら「え、これ1000ccなんかぁ。マジ?」とビックリするくらいの、一般道での市街地走行では問題ない動力性能なのです。
 まぁ、この成果は、まずヴィッツが今の時代の車としては、非常に軽量であるという事。
 この1000ccだと870kgくらいなんだけど、この870kgという車重は、今の軽自動車のワゴンモデルにちょっとだけ重くなった程度なのです。
 ちょっと大げさに言えば、エンジンの大きな分だけ重いようなものだから、軽自動車に1000ccのエンジンを載せたような状況なので、そういう考え方をすれば、動力性能が良いに決まっているのです。
 次に、最大出力(や、最大トルク)の数値至上主義じゃないエンジンの作り方をしていると、カタログスペック的には”しょぼい”エンジンであっても、実用域の有効性を大切にしている設計なので、実に使いやすいものなのです。(いい加減なエンジンに限って、ピークパワーばかり志向する悪い傾向があるように感じます)
 そして、ATのセッティングが重要です。
 それによって、加速フィーリングが、ビックリするくらい違うので、ミッションメーカーの某社はアカンなどと、仲間内ではよく言いあった事もありました。
 細々としたところは省略するとしても、以上、挙げたいくつかのポイントをマジメに取組んでいるメーカー(車種)の「中途半端」な排気量は、決して中途半端ではないのです。
7月28日
{スペースシャトルのトラブル}
 前回の打ち上げ延期から物議をかもし、強行打ち上げの観のあった今回の打ち上げだけど、世間の技術者が懸念していたように、やはり問題が露呈してきましたね。
 このスペースシャトルの技術的問題や管理する幹部の考え方の問題は、日誌でも何度か取り上げた事があるのはご存知の方もいらっしゃると思うし、とりあえず今回報道された内容を見て、皆さんもNASAの体制を疑問視された方も少なくないと思うのです。
 特に、今回に限っていえば、燃料残量センサーの件と、耐熱タイルやタンクの断熱材の剥がれの問題だけど、どうも批判する側の問題意識がずれているように感じているので、ちょっと紹介してみます。

 まず、前回打ち上げ延期の原因になった燃料残量センサーの不具合の原因究明の件で、センサーの不具合の発生状況によっては、エンジン停止の危険もあるのだからNASAの見解である「4つセンサーはあり、2個までの故障であれば差し支えない」という考えに対して、「原因を究明できるまで打ち上げを延期すべき」という意見があったのは皆さんもニュースなどでご覧になっていると思う。
 機能的にはNASAの言っている「2個機能すれば、支障が無い」というのは事実なんだろうと思うものの、なぜ20年前に4つすべて正常でないと打ち上げないというルールになったのか、そしてなぜ4つあるのかという点を本当に考慮しているのかな?という疑問を個人的には隠せません。
 これまでも、トラブルを生じる事が少なくなかったという経緯もあり、姿勢変化の際のちゃんとした残量の把握のためだけでなく、フェイルセイフの観点から4つ設置していると考えられると言う事は、言い換えれば、打ち上げまでの整備段階でさえ故障が発生する事が珍しく無い機器は、打ち上げて運用すると、もっと故障を起こす可能性は高くなるはずなのです。
 その、打ち上げ前以上に故障を誘発する傾向が高くなる「打ち上げ作業」の前に、フェイルセイフの壁をすでに1枚剥いだ状態で打ち上げるという神経がわからないのです。

 これは、スペースシャトルに限った話ではなく、もともとフェイルセイフのため、バックアップのために考案されたシステムを装備する事で、本来安全の確率が高くなるはずなのに、そのバックアップシステムを装備する事で、本来安全のために基本としてやるべき手順を手抜きすれば、バックアップシステムは、本来のバックアップとして機能できず、最初の防波堤にしかならないために、2重安全しすてむだったはずなのに、実質重複系のバックアップとして機能しないという状態を黙認していたり、気付かなくても事実上そうなっているケースは少なくないのです。
 例えば、仮にガスコンロで煮物を作っていたとして、ちょっと買物に行きたくなった時に、普通の考えなら火を止めるというのは当たり前。
 ところが、噴きこぼれを生じて火が消えても、ガスが自動的に止まるという安全装置が装備されているコンロだからといって、「どうせこぼれてもガスは止まるから」とガス停止装置に依存して、煮たまま外出すると、ガス停止装置の不具合があれば、即座に危険な事になる可能性があるのと同じで、そういう使い方をする事で、2重系の安全装置であるはずの(初段階は、もちろん人間の安全監視)ガス停止装置は、バックアップシステムとは言えなくなるのと同じなのです。
 だからこそ、元々不安定な事が問題視されているセンサーだからこそ、少なくとも打ち上げ前には完全な状態で打ち上げる事が、技術的には正しい事なのです。
 ついでに言えば、NASAのコメントとして「原因不明」という事にされているセンサー問題だけど、真相は、原因不明ではなく、詳しく検査するには、本体の表面をはがして検査する必要があるものの、それを実施するには、打ち上げ台から降ろし、時間もかけなければならないので、本来検査・診断するための手順を実施していないので原因がわからないだけなのです。
 「原因不明」なのと、「原因を究明していない」のは、大違いだという点を、もっと批判するべきなのです。

(耐熱タイルなど)
 打ち上げ時のタイルなどの脱落映像は衝撃をもって報道されているようだし、NASAも燃料タンクの断熱材の脱落を防止するため、ここ2年検討を重ねてきた断熱材の塗り方の改善が効果を発揮していない事を認めたとコメントされているけど、これも前回の事故の原因究明の筋道を間違えていると感じています。

 前回も打ち上げ時に、外部燃料タンクの断熱材が剥がれ落ち、その破片がスペースシャトルの下面の耐熱タイル部分に接触する事でタイルもはがれ、それが大気圏再突入時の熱に耐えられず、シャトル本体の構造部分が損傷を受け、爆発破壊に至ったと見られているのは周知のとおりなんだけど、今回は、断熱材がはがれて落下した際に、下面には接触せずに済んでいるものの、耐熱タイルは打ち上げ時の振動などで何箇所も脱落しているのです。
 元々、はがれた断熱材も(少なくとも内側のタンクに接していた面は))相当冷たいので、固い状態になっていると想像できるものの、重量的には、それほど重いものではないはずなのです。
 そういう比較的軽い物体が接触する事で、耐熱タイルが損傷を受ける事(耐熱タイルの耐久性自体)が問題で、本来、外部燃料タンクの断熱材が接触したのは、原因究明的アプローチで言えばきっかけに過ぎないのです。

 なのに、そのきっかけを防止する事を目的にしてしまったというのが、この2年間の改良だったのです。
 もちろん、断熱材がはがれないように改良する事自体は、やるべき事なのです。
 しかし、その程度のものが接触するだけで、大気圏再突入に危険を及ぼすほどの損傷を受けるタイルの構造と貼り方のほうが問題で、こちらを技術的に難易度が高いというだけの理由で、手を付けなかったのが、今回、帰還を危ぶまなければならなくなる事態を引きおこした本当の原因なのです。
 昔と違って、宇宙空間にさまざまなダストが散らばっていて、断熱材より衝突時にダメージを生じる浮遊物は数多くあるのが確認され、問題にもなっているからこそ、手をつけるべき技術的課題だったし、そういうダストが、同じ以上の損傷のきっかけになるのは想定されているので、これをそのままにしていたのはNASAの大きな手落ちと言えるのです。
 人間の歴史には、危険を承知の上で、GOサインを出さないといけなかった事は、いくらでもあるんだけど、GOサインを出す立場の人間が、心しておかないといけないことは、自分が現場にいる場合、その命令を受容できるかどうかを判断の基準にしなければ、スケジュールや自分の立場の都合だけで考えた、無理な命令だったと言われても、やむを得ない事なので、NASAの幹部は、自分が乗り込む前提で、その命令を受容できるのかという事を、もっと真剣に考えて欲しいものです。
8月2日
{あれから1年}
 今日で、ウチの家族の痛恨のアクシデントから1年過ぎてしまいました。
 あまりにも不慮の事だったし、残念な事に、1年経過した今も大きな改善は見込めないという情況でもあることなのは、家族としても大変悔いの残る事です。
 アクシデントから1ヶ月くらいは、仕事にも色々な支障があり、取引先、学校関係者だけでなく、お客さんにもご迷惑をおかけした事もあるし、大変ご協力をいただいて、皆さんの心の温かさに心から頭が下がる思いで、改めて感謝の気持ちを表したいと思います。
 あれから1年、大きな前進は無いものの、医療関係の方々の中にも、色々なアドバイスをいただいた方、業界外の人間では確認し様の無い事を調べていただいた方、そして「困ったら私の名前を出してもらっても差し支えないから」と、ご自身の立場よりも、オレの家族の事を優先して考えていただいた方など、なかなか窮屈な業界でありながら、「患者のため」という当たり前だけど、現実的には最も難しそうな事を躊躇無く実行していただくのは、本当にいくら感謝してもし切れない事です。
 その恩返しの代わりとして、不幸にもウチの家族に降りかかったアクシデントと同じ状況になられた方が、同じような長い闘いをしなくても済むように、救命処置の重要性を訴え続けてきたんだけど、これはオレのライフワークとして、今後も続けるつもりなので、皆さんも是非関心を持ってください。

{最近のウイルス事件}
 もちろんメールのウイルスに関する事です。
 当然のように、ウチのようにHP上にメールアドレスを公開しているだけでなく、これまでの多くのご利用いただいた皆さんのパソコンのメールソフトに登録していただいているので、その多くの方々の中の1部の方のパソコンがウイルスに感染した場合、ウチにウイルスメールが届くのは、ある意味有名税みたいなもので、もちろんそれなりの対策はしているんだけど、ここ1ヶ月半くらい、その数多いウイルスメールの傾向の変化を発見したので、ちょっと紹介します。
 皆さんも、最近のウイルスメールの発信者は、実際の発信者とは違って、別の名前を表示している場合がほとんどなので、なかなか感染者を特定しにくいんだけど、比較的多くの傾向として、感染者のパソコンに登録もしくは記憶されているアドレスを発信者として偽装する事がほとんどなのです。
 言い換えれば、その偽装しているアドレスにある特定の傾向があれば、逆に感染者を絞り込む事も可能なんだけど、ここ1ヵ月半くらいに新たに届くメールの1つのパターンに、特定の傾向が生まれた事に気付いたのです。
 それは、発信者のアドレス、もしくはエラー先のアドレスを見ていると、アドレスの中のキーワードとして「acls」とか「bls」、そして「〜119.jp」など、医療関係、救命救急関連の団体などが出てきます。
 もう1つ、実は同じ傾向が携帯にも生じていて、それまでほとんどウイルスメールと思えるメールが届く事が無かったケータイに、その頃から頻繁に、しかも、同じような傾向で届くようになったのです。
 この2つを一緒に考えると、感染しているパソコンの所有者は、

1.医療関係・救急関連の方か、もしくはそういう方々やグループのアドレスを登録しているパソコンをお持ちの方
2.オレの仕事用のアドレスだけでなく、携帯のアドレスまでも知っている方

 という2つの条件を満たす方のパソコンがやられちゃっている事になるわけです。
 こういう絞込み方をすると、少なくともオレ自身が想像できる方は5名くらいになるんだけど、オレのアドレスをご存知だけど、その方のアドレスをオレは知らないというケースもあるので、もし日誌をお読みになられた条件を満たしそうな方は、ご自身のパソコンのウイルスチェックをやってみてください。
8月15日
 ウチをご利用いただいている皆さんには、8日夜から10日までの間、何かと対応ができなかったりご迷惑をおかけした事を深くお詫びします。
 私の最もかけがえの無い存在を不慮の事故で失ったという一身上の理由とはいえ、本当に申し訳なく思っております。
 長年にわたって支え続けてくれたし、このショップの仕事だけでなく、講師としての仕事も応援してくれていただけでなく、学生や卒業生の時間外の相談などにのっても、愚痴どころか、そういう接し方をとても温かく見守ってくれていた、あの優しく、懐の深い思いやりは、表現する言葉も見つからないほどの素晴らしさで、いつも「何でオレみたいなヤツなのに、こんなに大切にしてくれるのだろう」と思っていました。
 そして、お父さんの具合が悪くなったのを、とても心配していて、自分の時間の都合のつく限り、両親に孝養を尽くそうとしていたので、「オレの事は心配しなくていいから、思うようにご両親を手助けしてあげて」と言ったのが1ヶ月ちょっと前。
 事故も、会社を休み病院に付き添い、戻ってから両親に食事を作ろうと買物に出かけ(青信号の)横断歩道を渡っていた時に、前方不注意の車にはねられてしまったのです。
 病院に駆けつけた時には、すでに意識はなく、手の打ちようも無いと告げられたので、最近作れなかった時間を惜しむように、語りかけ続けながら最後まで見守ったんだけど、ICUの中であったにも関わらず、ずっと手を握って、最後は腕の中で看とってあげる事ができたのだけが、せめてもの罪滅ぼしだったと思います。
 自動車業界人なら、きっと同じ印象を持っていると思うのは、年間8,000〜10,000人にも達する交通事故の死亡者だけど、オレも長年業界で仕事をしていても、意外と経験する事が少ないのです。
 だから、事故死というのは、正直言ってあんまり身近な話では無いというのが、確率的な経験論なのに、まさかオレの最も身近にそういう事が起こるなんて言葉を失っているというのが正直なところです。
 まだまだ、心の整理がついて、心の中にちゃんと生き続けてくれているのを実感できるまでには、相当の時間がかかると思います。
 でも、会場に流す曲として選んだMISIAの「果てなく続くストーリー」というのは、オレの気持ちがタイトルの通りだし、後からよく歌詞を読み返してみると、実に似た心境でした。
 オレは、何でも、突然「何々で好きなモノは?」という質問をされるのが非常に苦手で、映画でも、曲でも、その他のことでも、パッと候補が出てこないという悪いクセ?があるのに、曲を選ぶ時には、ちょっと考えれば、なぜかスッと出てきたのが、この曲です。
 きっと、オレだけでなく、2人で選んだんだろうと、後から納得したのです。
 人生100回経験しても、巡り会えないほどの存在だったので、失った悲しみはとても深いというのが率直な気持ちです。
 皆さんも、運転される際には、安全を本当に大切に考えて、我々のような悲しみを1人でも少なくできるようにしてくださいね。

{小泉=信長}
 という言い方を、最近マスコミが盛んにしているけど、あれは本当の歴史を理解していたら、そういう報道にはならないと感じているのはオレだけなのだろうか?
 とても、詳しく紹介する元気は無いので、具体的には挙げないけど、小泉さん自身が信長を研究しているかも知れないものの、全体の流れとしては、平成の信長というよりは、平成の後醍醐(天皇)というほうが、何かと共通項があるように感じています。
 後醍醐天皇というと、鎌倉幕府に終止符を打たせ、建武の新政を行ったというのが一般的な歴史認識だと思うけど、それは教科書的な歴史認識に過ぎず、色々な問題を理解していると、小泉さんを取り巻く問題が実に理解できると思うので、皆さんも研究してみてくださいね。

戻る