トワイライト裏業務日誌 2004年7・8月
7月13日
 またまたご無沙汰してスンマセン。
 広島では先週末に梅雨明け宣言が出されたものの、個人的には昨年秋に書いたように、太陽太陰暦的に言えば、5月初旬から梅雨入りで、6月20日過ぎには梅雨明けしていたはずで、これを太陽暦のカレンダーで考えるから話をややこしくしているだけだと感じていました。
 それはともかく、この猛暑、皆さんも体力の維持に注意してくださいね。

{今回の選挙で最も感心した事}
 オレは、投票率が長期低落傾向を示す中、過去1度しか投票をサボった事が無いという、他の国民の義務はともかく、選挙は比較的マジメに参加しているのです。(きっと意外ですよね?)
 そこで、今回の参院選で最も感心した事を1つ、あくまでも個人的な考え方+印象に過ぎないけど触れてみます。

 それは、島田紳介の姿勢です。
 皆さんも、大阪選挙区の候補への応援演説は、TVなどでご覧になった方も多いと思うけど、その内容の一言一言の重みだけでなく、以前からの姿勢を改めて評価した思いなのです。
 というのも、少し前まで紳介は、「サンデープロジェクト」という番組の司会をしていたのは有名だと思うし、そこでのとっさのコメントも、ちゃんと物事の要点を捉えている点は、以前から非常に感心していて、若い頃ヤンキーだったのに、物事の洞察力が鋭いだけでなく、非常に勉強しているというのは、心から頭が下がる思いだったのです。(オレも爪のアカもらわないといけん!)
 サンプロ司会の時も、わざわざ前日もTV局入りし、スタッフと打ち合わせしたり、事前に予習したりしていたというのは、学生の時に”予習”という文字が英語、国語、漢字辞書のどれにも存在しなかったオレとしては、拍手モノです。
 それだけでなく、サンプロに出演している最中は、決して政治活動をしなかったというのも、とっても素晴らしいと思う点で、オレの持論(あくまでも個人的な価値観ですが)として、「政治キャスター」や、似た仕事をする人間は、決してキャスターと並行して、どこかの政党を支持するような言動を行うべきでないという点を厳守していた点です。
 そういう立場にいると、必ず担ぎ出そうとしたり、利用しようと、アチコチから声をかけてくるだろうし、それは金銭的にも、様々な立場的にもかなりオイシイはずだけど、その誘惑を払いのけるという厳しい姿勢を堅持するのは、言うのはカンタンでも、なかなか難しいはずです。
 とくに、今回の選挙の話ではないものの、広島では、情報番組で政治や市民の暮らし等について力を入れている番組の司会が、県民党(県民のために、県民に支援してもらっているという意味で、実際に政党を結成しているわけでなく、政党ではないからちゃんとした政治家としての活動をできると標榜していました)を名乗って、トップ当選したキャスターがいたんだけど、個人的にはそのキャスターを立候補前から評価できなかったのです。
 その理由としては、番組でもシロート受けするようなコメントが多かっただけでなく、生活に密着している番組(ニュース番組的な客観性も要求されている番組です)に出演しておりながら、ちょっと首をかしげるようなセリフを用いながらCMにも出演していたので、自分のポジションを客観的に見ていない人だなぁと思っていたのです。
 そう思いながらも、「多分トップ当選するだろう」と思っていたら、結果は幸か不幸かそのとおりだったんだけど、何が不幸かというと、その広島のキャスターに投票した県民の期待をアッサリ裏切って、もっとも既存の政党政治の代表格のような政党に、当選後に入党し、挙句の果ては「小泉さんを応援して改革をすすめる」と言いながら、アンチ小泉の代表格のような派閥に入ったのです。
 当然、この議員さんは、その後広島での存在感は薄く、政治家としての活動も、広島のニュースでさえも報じられないというのが現況なのです。
 紳介を見るにつけ、どうしてもこの人と対比させてしまうんだけど、比較すれば比較するほど、やはり紳介をどこかの首長に擁立したいと思うのが、ここ数年でその思いは強くなっているのが、あまりそういう話を語らないオレの気持ちです。

 でも、支持されるかどうかは別として、紳介という人物は、実に不思議なキャラクターだと思いませんか?
 あれだけ、下ネタ連発して、スキャンダラスな話を平気で公言しておきながら、マジメなシーンでの言動に、ちゃんと言葉の重みがあるなんて、どんな肩書きを持ち合わせている人であっても、そうそうお目にかかれるものじゃないはずで、だからこそ、個人的には貴重な人材だと思うのですが。
 同じ血液型だから支持するってワケではないつもりの新枝の個人的コメントでした。(我々は、いわゆる”変わり者”と言われている日本では稀少な?血液型です)
7月18日
 先週からの太平洋沿岸、そして日本海沿いの集中豪雨などで被災された皆さん、心からお見舞い申し上げます。
 家も車も冠水していて、個人的に見るに忍びない状況で、平成3年の台風19号での被害を思い出してしまいました。

 当時、広島では、満潮、大潮、そして足並みの速い台風の右側だった事もあって、想像以上の被害があって、オレも国道閉鎖で、広島に戻れない状態で夜を明かしたのです。
 そして、翌日戻ったら、船は陸に上がっているわ、電柱はあちこちで倒壊しとるわと、まるで異次元のような光景を見ながら、続々と連絡の入った車の修理に対応していたのです。
 板金依頼が殺到したのは当然だけど、最もやっかいなのが冠水した車の処遇で、潮に浸かった車は処置不能というのが業界の常識だったんだけど、どうしてもダメ元で修復を考えて欲しいという要望のお客さんの車を、何台もバラバラにして、これが車の修理かと自分でも想定できない光景(車内にホースで水をかけながら、棒ズリで洗う作業って、普段見たら”コイツ絶対におかしい”と思われかねない光景でしょ?)と格闘していたのです。
 でも、潮に浸かったら絶望的という常識で、当時の同じ職場でも否定的意見しか聞かれなかったのに、孤軍奮闘とばかりにオレと、当時のオレの右腕のM君の2人で格闘した結果は、幸いな事に、ほとんどの車が延命できたのは、不幸な災害の中の小さな喜びだったのです。
 ところが、お客さんの決断に1〜2日要した車は、作業開始時にはすでに配線がボロボロになってしまい、残念ながら処置なしと判断するしかなかったケースもあって、こういうケースは、救命救急と同じで、対処のスピードが分かれ目になるなぁと、改めて実感したので、皆さんももし、不幸にしてそのような状況になったら、速攻での対処を検討してください。
 ただ、フロア以上に冠水した車は、なかなか対応してくれないのが現状のようだけど、こういうふうに延命できたケースも少なくありません。
7月21日
 以前から時々話題にしている事で、いまだに疑問のままなネタが今日のテーマです。
 ウチは、皆さんもご存知のとおり、日本人の日本語による日本在住の方のためのサイト(リンカーンほどの大げさな話ではありませんが)の”つもり”で地道に営業しているので、もちろん日本語サイトしかないのです。
 ところが、海外のメーカーから、様々な売り込みがあるのはよいとして、海外の、しかも海外在住の日本の方からならともかく、現地のネイティブの方から問合せが頻繁にあるのは何度も触れてきたとおりなんだけど、先日来、メールのやり取りをしているキプロスの方が、どうも真剣にご注文を検討されているようなのです。
 オレは、海外を仕事の対象にするための専門学校にも登板しているものの、英語を担当しているわけではないし、高校の英文法の試験で7点という記録(もちろん100点満点!)を、昔叩き出した人間なので、多少英語がわかるようになった今でも七転八倒しながらメールのやりとりをしているのは、顔を見た事が無い方でも容易に想像できますよね?

 それはともかく、オレの疑問は、他のHPを持っているショップ(日本語オンリーサイト)でも、こんなに問合せが舞い込むのだろうか?という疑問なんです。
 今や、言語変換サービスも定着しているので、日本語サイトでも、アッサリと英語に変換されてしまって、世界各国の方々にもカンタンに読破されるのはわかるけど、その対象が、何でクレジットカードの取扱もしていないウチなの?注文する時に、ホントにウチでいいの?などなど・・・・まるで付き合う直前に、カレシになる相手に、一々確認を求める女の子のような心境なのです。
 特に、ウチのサイトが、海外から検索されやすい構造になっているとは思えないし、英語サービスも無いワケだから、個人的に最も考えやすいケースとしては、よそも同じように問合せがあるけど、全編英文のメールをインチキ商売メールと同一視(というか、読んでいない?)して、無視しているか、アッサリと問合せに海外は無理とだけ書いているので、バカ正直?に、慣れない英文をこねくりまわして返信しているウチぎ必然的に話がすすむ事になるという想像です。
 皆さんも、実情をご存知だったら教えてくださいね!

{今日のニュースステーション}
 じゃなかった、名前何でしたっけ?(キャスター変わって名前違いますよね)
 番組を聞きながら、日誌を書いているんだけど、ニュースに取り上げられたネタについて2つ触れてみます。
 1つは、三菱ディーラーの悲劇。
 これは、先日触れたように、事故で被害に遭われた方や、そのご家族、購入ユーザーの次に被害者なのは、三菱専売ディーラーだと個人的には思っているんだけど、今も何の救済措置もメーカーがとってなくて、経営が悪化し、廃業に追い込まれたディーラーもあるし、はっきり言ってサービスマンは、マトモなプロとしての仕事を遂行する身体状態さえも維持できないほどの過労状態を強いられているのに、このまま作業を続けさせると、過労のための作業ミスさえ誘発しかねないのです。
 だから、お詫びのためのサービス点検も、リコール対処をを早期実施する事も重要だという認識はオレも同じだけど、マトモにプロとしての仕事ができる労働環境を守る努力にメーカーは労力とコストを注ぐ責務があると考えています。

 もう1つは、台湾の軍事演習で高速道路を戦闘機の滑走路として使った事を取り上げて、ビックリしたり、中国大陸向けの宣伝であると解説していたのをお聞きになった(訂正!TVを聴いていたのはオレだけで、皆さんはご覧になっていたんですよね)と思うけど、ありゃ大きな間違いで、多くの国では高速道路に戦争時に滑走路としての機能も期待しているので、要所要所で、中央分離帯が移動可能で、ライトポールも抜けるようになっている数キロに亘った直線部分が、ルートの方向性に関係なく、その地域の風向きに合わせた向きに用意されているケースは多いのです。
 逆に言うと、そういう事態になった際に、空港が破壊されて代替飛行場として高速道路の各所が使えるように考慮して設計していない日本のほうが、海外の軍事関係者にとってはビックリなはずです。
7月26日 史上最大の作戦!?
 皆さん、ホントに暑いですねぇ。
 オレなんて、出荷のために荷物を積載するどころか、単に車に乗るという動作だけでも汗だくになってしまうので、すでに海にも行ったオレ(改めて書きます)とすれば、「早く来い来い食欲の秋!」てなカンジです。(オマエの食欲は、年中無休だろうが・・・なんて言わないでください)

 これまでの日誌をお読みいただいていた方であれば、昔のディーラー時代はもとより、WEBショップであるはずの、このショップを開業してからもアチコチへ出張作業に出かけているのはご存知だと思うのです。
 また、出張作業(or引き取り)の範囲が広い事、内容も多岐にわたる事もおわかりだと思うけど、改めてここで紹介すると、出張作業or引き取りの西端は九州の玄関口の門司までだったんだけど、昨日(25日)と今日の2日間で、色々な記録を塗り替えてしまったから、これを取り上げます。

{25日}
 元々広島に住んでおられた時に、バイクが縁で元在籍していた自動車ディーラーのお客さんになってもらってから縁が続いているUさんのランエボの作業でした。(バイク乗りがバイクのメンテナンスに来るディーラーってヘンでしょ?)
 昨年、仕事の都合でスペースワールドがある九州の実家の近くに引越しされて、その際にも、「今後もよろしくお願いします」って言われていたんだけど、夏前に、点火系、電装系のチューニングをやりたいので、そのうち仕事でこちらに来られる時に作業お願いしますって言われていて、全く急がないという事だったので、タイミングを図っていたんだけど、26日作業分の実施が確定したので、Uさんとも調整に入ったんだけど、さらにもう1件、26日分の作業で来るなら、私もお願い!というリクエストまで舞い込み、3件作業する事になり、「こりゃ、どう考えても、1日じゃムリじゃ」と考え、何と史上初の宿泊込みの2日間遠征という事になったのです。
 それで、作業第1弾として、Uさんのランエボのチューニングを開始したんだけど、作業場所がスペースワールド(ご存知の無い方に補足すると遊園地です)の真横だったので、富士急のフジヤマが登場する前までは、数々の記録を持っていたタイタン(ジェットコースター)に乗っている人の絶叫と太陽光線を背中に浴びながら、作業を完了したのです。
 そして、四方山話をしながら、久々の再会を懐かしんだ後で、翌日の作業のために、本州の西端の下関のホテルに移動して宿泊して25日は終了でした。
*記録1 出張作業の西端が15kmばかり更新されました。

{今日}
 朝起きて、下関から日本海沿いに走って待ち合わせ場所に。
 第2弾の作業内容はは、なんとターボ交換!
 これまで、オレも色々な出張作業を経験してきて、オーディオやナビは当然の事、発電機の交換、タイミングベルトの交換などなど、「え?そんなモノまで出張作業で救援した事あるの?」というくらい、いろんな作業をしてきたけど、ターボの脱着は出張作業としては史上初です。(普通は当たり前ですよね?)
 そんな作業、わざわざ出張作業でやらなくたって引き取ってくりゃいいじゃん!って思われるのももっともで、色々な事情(略)が無ければ、オレもそうしたいというのが正直なところでした。
 というのも、出張作業というのは、設備が整った場所でしか作業をしない作業者にとっては、ひどく過酷な条件なのです。
 まず、リフト等の大型設備が使えない、次に便利なツール(エアで動くエアツール等)が使えないので作業に時間がかかる、さらに作業を進めていて「やべっ・・あの工具が必要だなぁ」と思っても、手持ちの工具で何とかするか、近くの工具屋で購入しなきゃダメなこと、最後に充実した資料なども、手元に持ってきてなければ全く意味が無い事など、出張作業のような”出たトコ勝負”というのは、普通は敬遠する気分が強く、そういう工場で作業する人達から「新枝さんは、出張作業って(何が起こるかわからない点が)怖くないの?」なんていつも感心されたり、あきれられたりしているワケです。
 特に、ターボ脱着の経験をお持ちの方ならよくわかると思うけど、周辺で取り外す部品が多いだけでなく、工具の選択は事前に想定しきれないので、オレも同時に交換するガスケット類を調べて手配する時から、部品の欠品が無いかという事と、既存の工具でホントに大丈夫なのかという不安が付きまとった作業だったのです。
 幸いな事に、炎天下の過酷な作業環境だったものの、大量の水分補給を行いながら、何とかかんとか作業を無事完了させたのです。
 これで終わり・・・と言いたいところだけど、今日は第3弾があって、ターボ交換依頼のS君のお姉さんであるKちゃんのオーディオ取付が最後のオシゴトです。
 最近MD付のオーディオが欲しかったようで、ターボの交換に来るなら「一緒にオーディオも!」というリクエストで、オーディオを付け替える事になったのです。
 ま、それだけなら楽勝な作業だけど、それに付随するスピーカーラインの不具合に対処するために、スピーカーラインも引きなおしになったので、さらに水分絞るには十分な作業でした。
 作業が完了して、3人でマジメな話はバカ話をしていたけど、昼飯も食っていないのに気付き、「もうアカン・・・メシ食おう」というと、地元の名物に連れて行かれたのです。
 川棚温泉の近くなので、名物というのは、「瓦そば」で、オレも名前はよーく知っていたものの、まだ食べた事はなくて、Kちゃんの強いオススメだったので、”うなめし”(うな丼みたいなもの)と一緒に食べたんだけど、あれは意外な食感でGOODで、「たかが瓦に載せただけのそばだろ?」なんていう認識だったのがひっくり返された思いです・・・川棚のみなさんごめんなさい!

*記録2 1回の遠征である程度時間のかかるものを3台作業したのは初。
*記録3 まさか出張作業でターボまで交換するとは思わなかった。
*記録4 出張作業で宿泊込みというのは、これまでの常識ではあり得ない!?

{オレのジンクス?}
 そのKちゃんの車、オーディオの作業をしていると、エアコンの不具合と思われる症状を発見したのです。
 後で、その事を言うと、本人も気付いていたみたいで、実車でのカンタンな確認をして、後は広島に戻ってから資料でも確認してみようという宿題になったんだけど、Kちゃんの車は、過去にも依頼があった作業をやると、別の不具合を見つけてしまうという事が2回もあったので、これってジンクス?って思わずにはいられません・・・・どうなんでしょう?

 ちなみに、どんな車種でも出張作業でターボを交換するワケではありませんので、ご了承くださいm(_ _)m
8月9日
 WEBショップ的には日誌の更新が遅れているだけなんですが、日頃オレと接点が多い方々は、ちょっと何かあったとお気づきの方も多いと思うんだけど、今月初めにオレの弟が倒れ、今も意識が無いというアクシデントに見舞われ、個人的な予定や約束は、ほとんどキャンセル状態になってしまっている事を、この場を借りてお詫びします。(ホントにごめんなさい)
 今は、仕事と病院の掛け持ち状態に加えて、弟の子供の「なんちゃってパパ(学生談)」という役割もあって、隠し子疑惑再燃になりかねない光景を病院の控え室やスーパー、その他で繰り広げています。
 せっかく色々予定を組んでもらった個人的な色々な事、残念ながら実現できなかっただけでなく、しばらくはムリだと思うけど、また状況が好転したら、個人的な作戦、皆さんよろしくお願いします。

{インフォームドコンセントの難しさ}
 医療の分野に、患者や家族に対して、現況だけでなく、治療の選択肢と予後、そしてリスクなどを説明するインフォームドコンセントが叫ばれるようになって久しく、オレも医学界で先鋭的な意識を持つ方々がインフォームドコンセントの重要性を唱え始めた頃に、「こりゃ自動車業界の修理においても同じ問題があるじゃん」と感じ、当時は医療よりも100歩も遅れていたそういう自動車業界の意識の中で、誰よりも先んじてインフォームドコンセントを取り入れて実践してきた経験があるんだけど、それから感じ続けていて、今回、特に痛感した事について触れてみようと思う。

 インフォームドコンセントは、もっぱら説明を行う側の考え方や姿勢について、よく問題視されているのは、そう言う事に関心をお持ちの方であればご存知だと思うけど、当然あるべき努力義務としては、どれだけ客観的な説明を行えるか、そしてちゃんと選択肢があればそれを説明し、それぞれの得失を理解してもらうという事だと思う。
 それに加えて、技術を提供する側の都合で、その選択肢の中のどれかに誘導するような説明の仕方を排除するというのは、簡単なようで本当に客観視してみると難しいものなのです。
 ところが、個人的な長年の経験で言うと、インフォームドコンセントというのは、その説明を行う側の能力を問われているような考えが主流になっているものの、その説明を受ける側(患者、家族、車で言えばユーザー)のどれだけ冷静に聞いて判断できるかという能力によっては、かえって説明なんかしないほうが混乱が無いだけでなく幸せな結果になる場合も少なくないし、実態以上の悪い可能性を強調しなくて済むので、冷静に聞き判断する事によって余計な不安を抱え込まずに済むと感じているのです。
 車の場合は、比較的そういう意味では簡単で、冷静に聞けなかったり判断を誤る理由としては、故障の場合を例に挙げると費用がかさむので、本来望むべき修理方法を判断できるかどうかというような理由以外は、意外に少ないので聞く側も、説明するオレ達がちゃんと相手の方の目線に降りた技術的難易度での説明を行えば問題になる事は少ないんだけど、治す対象が人の場合は、部品交換で解決できないケースがほとんどだし、死というものに直面するために、なかなか色々な感情が交錯して、客観的に話を聞けないケースが多いと思うのです。
 そして、医師が説明をする際に、ちょっとしたリスクについての説明に過剰な反応をすると、とても医師としても全ての説明などできるはずもなく、患者本人や家族の過剰反応を気にしつつ治療や説明に携わらないといけなくなるのは、とても心理的には治療最優先をするべき医師として望ましい心理状態にはならなくなるはずなのです。
 また、予後についても「その処置で本当に大丈夫なんですよね」と、完全治癒などを強調して確認を求めると、どうしても良くない予後になる可能性が極めて低い事例であっても、「そういう可能性も”十分”にあるので〜」と、実際の確率以上のリスクとして受け取れるような表現を使わざるを得なくなるはずなのです。

 今回の弟の件は、本当に予期できない突然の事で、オレも家族も大変悲しむだけでなく悔しい思いをしているものの、その不幸の中で良かった事があったとすれば、搬送される救急車がうまい具合に高規格救急車でメディックが乗っていた事、搬送先が広島で最もそういう設備が整っている集中治療部を持っている所であった事、またその施設の性質上、治療の初期段階に、まだ保険未承認であるものの有効性をかなり論じられ始めている治療法で処置してもらっている事だけでなく、オレと担当医とのインフォームドコンセントがとても良好に進んでいる事なのです。
 ウチに来た人の中には目撃した経験を持っている人もいるかも知れないけど、ウチには、医学系の専門書が結構あって、多分シロートとしてはかなりの知識があるだけでなく、本質的な診断のアプローチと対処法、そしてその手順として、どのようなリスクがあって、それをどういう手順で回避するかという根底に流れる考え方は車の診断と非常に似ているので、オレはある時期から、そのアプローチを磨くために自分の分野ではない医療での色々な知識や認識を吸収するように努力していたのです。
 それによって、今回良かったのは、担当医のコメントの真意をちゃんと確認しながら理解する事ができるのがオレにとっても弟と家族にとっても、そして担当医にとっても良い結果のようなのです。
 特に、1つの説明に過大な期待をする事無く、どの部分だけは大丈夫で、同じニュアンスとして用いられていても、その周辺の領域まで大丈夫と言う意味ではないというような事の境界線の共通認識だけでなく、たくさんの症例数を経験した担当医の個人的な印象や本来心に秘めている期待感などを表明しても、それを医師として保証したというような受け止め方をしないというオレの考え方を理解してもらっているので、医師として内心本当に危惧している点も含めて話してもらっているのに、見えない不安感というのが無いだけでなく、治療に集中してもらっているので、とても良い関係になっていると感じているのです。
 確か2〜3日目に「対象は車で違いはしますが、私も一般的に直せないと判断された故障などの診断と対処を受け持つ経験がとても多かったんですが、その立場の時に、どのような見えない努力と苦労をして、何を考えるか、経験者でないとわからない部分については、共通の認識があると思っています。 そして、全知識を動員して診断と対処に当たるのは当然としても、後から振り返った時に”あの部分は、色々な事情でやむを得ないけどまわり道だったなぁ”と感じる事があっても、それはリスクなどを考慮して回り道したのであれば、当然理解して受け入れるべき”意味あるまわり道”だと思っていますから、そういう部分は気になさらずに診療していただければ構いませんのでよろしくお願いします」と伝えてから、本当に細かなニュアンスを共通認識として共有できる関係になったのです。
 弟の今後の病状は、家族として良くなることを願ってやまないのは当然だけど、少なくともその途中のプロセスとしての医師との関係には、非常に良い手ごたえを感じる事ができるのは、まさに不幸中の幸いだと感じています。

 というワケで、不幸にして、オレと同じ患者の家族で、医師から説明を受けるのに、どうも意志の疎通が図れないと感じる方がいらっしゃれば、極力冷静に聞く事、説明されたそれぞれの内容の全体像をシッカリ掴んで、何と何が関わりあっている事かを理解するような姿勢を持って聞くように努力されれば、少なくとも聞く側の努力で改善するべき関係は改善すると思います。(他に、可能であれば、その病気について、できるだけ勉強する事もオススメします・・・オレも今回は、自分のちょっと手薄な分野だったので、専門書を数冊購入して、色々なアプローチから勉強しました)
8月11日
 ホントに、皆さん気遣ってもらってありがとうございます。
 弟の事は、いずれにしても長期戦になると思うので、そういう意識と覚悟で接するつもりです。

{アンサーソング!?}
 今年のオレの誕生日に、わざわざ自宅までプレゼントを持ってきてくれたSちゃんに、オレの誕生日なのに、トワイライト捜索隊のおかげで大阪でゲットしたCDをプレゼントしてあげた話は日誌にも書いたんだけど、そのSちゃんの誕生日が近づいた先月末、オレは悩みに悩んでようやく誕生日プレゼントを決める事ができたのです。
 これは、オレは普段買う経験が無かったと言っても過言ではないモノなので、さすがに困ったんだけど、幸い?な事に、その業界に就職しているネオ・トワイライト軍団(オレの愛すべき卒業生軍団)の1人であるT君に相談の結果、オレの感性でデザインを決めて購入し、今月のアクシデントで誕生日には渡せなかったものの、ようやく渡す事ができたのです。
 すると、今度はSちゃんの誕生日にも関わらず、オレにCDを1枚プレゼントしてくれたのです。
 それは、ミスチルの「SIGN」で、オレは普段ミスチルをあんまり聞かないので、ドラマの主題歌になっていた事、そしてサビのメロディだけは何となく憶えていた程度だったのです。
 でも、もらったCDの歌詞をよーく読みながら曲を聞いてみると、この前CDをプレゼントした時みたいに、メッセージとして、この曲を選んでくれたんだろうなぁ〜というのがわかってホントにありがたいと思ったのです。
 お互いが自分の誕生日に相手にCDをプレゼントしたり、そのプレゼントしたCDの歌詞の立場がオレなら女性、Sちゃんは男性としての歌詞なので、一見逆に見える事などは、ちょっとおかしくて笑える話だけど、今の時代に、こんな古代的な交流を続けていけるような人間関係って、それはそれで非常に大切なんじゃないかと改めて実感したというのが今の気持ちです。
 CDが古代的とは大げさな・・・という見方もあるだろうけど、詩に託した人と人との交流は平安の世から連綿と続いてきた方法で、それはそれで時代を超えた深みがあると思うのはオレだけでしょうか?
 Sちゃんも含めて、今回は本当に多くの人に励まされて、心から感謝しています。 
8月20日
 皆さんは良いお盆休みでしたか?
 オレは、盆休みが近づいている事さえ忘れてました。

{本業の近況}
 月初は、特に作業的なスケジュールでは、ご迷惑をおかけしてすみませんでした。
 まだ、弟の状況は大きな動きは無いために、どうしても制約があるものの、ようやく少しずつ本業の作業(WEBショップ面では当初からほぼ対応できています)も対処できるようになりつつあります。

{本業でのトピック ノープロブレム事件2}
 世間での盆休み直前、レーダー探知機のご注文と取付依頼で、久々にMさんにお目にかかったのです。
 Mさんは、ウチのお客さんなので当然、個性溢れる面白い方で、Mさん曰く「久々に新枝さんと顔合わせできるので楽しみ」という、もしMさんが女性だったら300倍嬉しくなる(Mさんは男性ですが、100倍嬉しいのは間違いありません)コメントをそのままパクりたくなるくらい、オレもお目にかかりたいお客さんなのです。
 そのレーダー設置は、灼熱地獄が大変だったものの、作業的には難易度は高くなく、ちょっと専門的知識を必要とする車だったというだけで、順調に終了したのです。

 ところが、数日後、Mさんからメールをいただいたので読んでみると、Mさんの奥さんがレーダー取付作業の後から、後のエアコンが効かずに、冷風とは逆の熱風が吹き出すようになったとの事だったのです。
 その文面を読んでみて、作業の手順を振り返ってみて考えたものの、どう考えても構造的にリアエアコンだけ効かなくなるとは思えないのです。(作業ミスとは思えないという意味です)
 しかし、世の中には、残念ながら予想外というものもゼロではない以上、個人的には「そんな事はありえません」というコメントで片付けようなんて思えなかったので、もし100歩譲って作業ミスがある場合の例と、そうではなく、エアコン操作の間違いの両方をご紹介して、「点検に行っても構いませんから」という事をお伝えしたら、翌朝に、「単なる操作間違いのようでした。しっかり確認をせずに連絡して申し訳ない」と大変恐縮されたお返事をいただいたのです。
 以前も、板金納車後に室内灯が点灯したままになるという連絡で駆けつけてみると、テールゲートが半ドアになっていた(もちろん納車時には半ドアではありませんでしたが)というケースを日誌で紹介した事があるけど、こういう時って、別に恐縮される必要は無くて、心から「何でもなくて良かった」と思えるので、その事をメールしたんだけど、ツインエアコンって、そういう意味で誤操作を誘発しやすい制御手順になっていて、過去にも(何も作業しなくても)リアエアコンが効かないという故障ではない故障でご相談されたケースは、数多く経験しているので、あれはそろそろメーカーも操作手順の見直しをして欲しい機能です。(メーカーの設計者の皆さん、よろしくお願いいたします)

{病院日誌1}
 過去に仕事が忙しい時期に会社に何日連続で通いつづけたのが最高記録だったのか思い出せないけど8/2の不慮のアクシデント以来、毎日2回通い続けているのは、間違いなくその期間ではドクターやナース以上の出勤日数なのは間違いありません!?
 その20日間、計40回もの病院通いで気付いた事や感じた事をちょっと紹介してみます。
 看護師さん達の定番のアイテムであるナースキャップだけど、元々帽子としての意味が無いという理由で、着用を義務付ける病院が減少傾向にあるという話を聞いた事があったんだけど、今回よ〜く見たら、誰もナースキャップを付けていませんでした。
 個人的には、その事実を確認した時に、「へぇ〜、大学病院でも今はこうなのかぁ」と妙に感心してしまったんだけど、確かにあれは、帽子というよりも頭に載せているグッズみたいなものなので、無いほうが自然な雰囲気が伝わってOKのような気がします。(どういう意味で自然なのか?なんて想像しないようにね)
 ちなみに誤解を避けるために補足すると、集中治療部では、外科的な処置をする際には、ちゃんと手術時にかぶる、本当の意味での帽子を着用されているので、衛生面でも大丈夫です。
8月21日
{病院日誌2}
 いきなり病院日誌の初回で、ナースの服装を挙げたもんだから、「オマエは、病院に面会に行って、どこを見とるんじゃ!」と突っ込みにあってしまいました。
 ま、微妙に反省しつつ、どのような環境でも、ちゃんと色々見極めるのは大切な事なので、その一環という事にしておきます。

 さて、「その2」は、今日、病室に持ち込んだモノです。
 それは、オレが持ち込むにはガラじゃない花束でもなく、看護師さんとの記念写真を撮るためのカメラでもなく、音楽ソースなのです。
 しかも、それは弟が普段興味を示さなかったクラシックなのです。
 実は、最近の学説で「モーツアルトの音楽は、脳の活性化に効果がみられる」というものがあって、健常者にも効果的なだけでなくて、病気や、弟のようなアクシデントによって脳機能が低下している症例にも改善効果が見られたケースが数多く出現しているようなので、さっそく「元クラシックファン」(最近ちょっと引退気味)のオレは、ソースをゲットして、それを持ち込んだのです。
 というのも、数日前に面会に行ってみると、病室も枕元にラジカセが置いてあって、ラジオがかかっていたのです。
 これは、ドクターや看護師の皆さんが、外来刺激による活性化を期待して、セッティングしていただいていたもので、ラジオがOKならモーツアルトもOKだろうと、この作戦を決行する事になったわけで、血圧や脈、動脈血酸素飽和度などを常時モニターしている「ピッピッピ」という無機質な音しかしないというのがICUの普通の個室だけど、弟の部屋だけは、そういう意味で異次元空間になっています。

 ウチの家族は、「これで早よ意識が戻れ」と、聴き始めたら速攻で話し出せとばかりに焦った期待を持っているようだったので、「温泉だって、1回浸かっただけじゃ顕著な効果は無いんだから、湯治みたいに時間をかけてからの変化を楽しみにせんといかんで」と言っておいたんだけど、きっとモーツアルトは水道水のニセ温泉よりは長期的には効果があると思いたい今日この頃です。
8月24日
 学生時代を振り返ったら、8/24という日付は、宿題の残りを考えると憂鬱になりそうな日付だなぁ・・と思った2004年の8月24日を皆さんどうお過ごしですか?
 明日は給料日だとウキウキしている方、月初の横着していたツケで、ノルマに苦しめられている方などなど、色々な8月24日の過ごし方があると思います。
 オレは、週に1度登板する専門学校の期末試験の前段階の資料提出を明日に控え、必死に土壇場で提出書類の作成に追われ、ギリギリで病院の敷地内の郵便局から投函できたのです。(今月はやむを得ないとはいえ、少し反省です)

{病院日誌3}
 「人には沿ってみろ、馬には乗ってみろ」(以前も書いたけど、間違って逆にはしないでください!)という言葉があるけど、まさにその典型例として経験したのが今回です。
 というのも、今回お世話になっている病院は、教育機関の付属病院なんだけど、世間の最近のニュアンスから言えば、「白い巨塔」や、先週放映していたようなドラマのような、患者不在の診療が横行しているところという厳しい見方をされる方も少なくないと思うのです。
 オレ自身は、そこまで組織形態だけで思い込もうなんて考える事は無いものの、事前の正直な印象は「技術的、設備的には優れているので、テクニックとしての医療は享受できるところ」という部分以外は期待していなかったのです。
 要するに、テクニック偏重でケアは凄くても、キュアとは無縁の世界だと思っていたんだけど、ケアがあってこそ、本人や家族に対するキュアに意味が生じるわけだから、ケアとしての技術を享受できれば、それで良いと思っていたのです。
 ところが、一瞬を争って命を守る闘いを昼夜を問わず繰り広げている集中治療部という部門なのに、そういう意味では予想外の事ばかりで、ホントにスタッフには、心から頭が下がる思いなのです。

 まず、担当医は、非常に素朴で誠実な人というだけでなく、上っ面ではなく本当の人間の心の痛みなどをちゃんとわかる人だと思えるのです。
 今やインフォームドコンセントというのは、医師にとって当然行うべき仕事の1つとされているけど、その際にも、必要以上の修飾的な表現や、見せ掛けの同情や優しさの安売りなどはしないものの、「あぁ、この人、本当に良い転帰を願っているんだなぁ」と思える部分を会話のニュアンスから伺えるだけでなく、ウチの弟の子供(オレにとっては甥)の素朴な質問にも、同じ目線になるように姿勢を低くして、ニコニコと頭をなでながら、ちゃんと理解できるように説明する事を全く躊躇しないし、オレに対しての病状や今後の方針の説明の時にも、いわゆる接客業の人が接遇手法を身につけて、それを実践しているというものとは違って、患者の事(医学的な断面だけでなく)を非常に身近に捉えているような視点で、色々な事を説明してもらっているのです。
 これは、担当医が指導医として指導している研修医に対する指導の際にも感じる事で、教育機関の講座として助手の肩書きを持っていて外部から招聘されたという背景がありながら、非常に謙虚で真摯な姿勢を垣間見る事ができるのは、今回の一連の事件の中で、本当に心温まる事だと思っているのです。
 ちなみに、この先生、その教育機関の講座(救急医療)のホームページに掲載されている各スタッフ(教授以下のスタッフ)の写真を見ても、ホノボノとしてしまう優しさが伝わってくる写真でした。
 今回のようなシチュエーションで出会った場合、良い結果をもたらしてくれる人は良い人で、自分が望む結果にならない場合は悪い人という乱暴なくくり方をしてしまう傾向が人間にはあると思うけど、治療手順を見ても、世間の水準からすると、「よくここまで先を考えて手を打ってあるなぁ」と思うくらい手を尽くしてもらっていて、さらにこのような姿勢で接してもらっているというのは、本当に「地獄に仏」の気分です。
 したがって、どのような結果になっても、結果とは別に、本当に心から感謝できる人に巡り会えたのは、とっても良い事でかけがえのない事だと感じています。
8月28日 また出た!悪いクセ・・・
 と書くと、てっきり「@@@ぐせ」じゃないかなんて邪推している皆さんへ・・・それは残念ながら間違いです。
 今日の午後は、オレが独立前の1年間、珍しく勉強(しているフリだったりして?)にいそしんでいる期間に、講師としてお世話になったMさんからの依頼で、ご家族がお持ちの車にナビを装着に行ってきたのです。
 元々ご依頼いただいた組合せは、メーカーの適合情報では寸法的な問題で装着不可だったものの、純正オーディオを流用せずに買い換えてもらうには、少し忍びない状況というか背景だったので、事前に実車確認して、「何とかなるかなぁ」という感触があったので、それを前提に準備して今日に至るというワケなのです。
 そして、アンテナ等、後周りからの作業は順調に進み、今日のメインイベントである本体部分の取付改造に取り掛かったら、「OH MY GOD!」思わぬ伏兵にやられて、パネルの加工だけではムリだという事が判明したのです。
 そこで、色々考えた末に、純正オーディオの突出部分を削り取って、装着できるように大改造をすることになったのです。
 でも、「言うは易し、西川きよし」(古っ!)で、他のフェイス部分に損傷を与えないようにするだけでなく、オーディオ本体の内部への悪い影響を完全に避けなければ、ここまで踏み込んだ大改造を行うのは良くないと考えて、オーディオをじっくり観察すると、ある作戦が、現場で問題なく実施できそうなので、お客さんに説明の後に、取り掛かったワケなのです。
 そう、それが今日のタイトルで、オーディオを分解して、問題のパネルを取り外し、その部分を加工して、改めてオーディオを組み付けたという、昔からの悪いクセである、製品を分解するというクセが再燃したわけなのです。
 Mさんも、「新枝さんじゃないとできない技ですか」とおっしゃっていたんだけど、正確には「オレじゃないと、普通はやらない荒業」なのかも知れません。
 ま、結果としては、装着不可の組合せが可能になったんだからメデタシ・メデタシなんだけど、やっぱ普通じゃないんかなぁ〜オレ。

{病院日誌4}
 知らない間にシリーズ化してしまったこのコーナー。
 今度は看護師さん達について。
 ICU特有の変則ローテーションのためか、学会出席など(なんと、ここの看護師さん達の中には、研究テーマを持って学会で論文を発表されている方々もいるんです・・驚愕!)があるせいか、これほど通っているのに、まだまだ見知らぬ顔を発見する事があって、総員何名なんだろう?と首を傾げてしまう今日この頃なんだけど、看護師の皆さん、担当医に負けず劣らず、温かいハートの持ち主ばかりで、もともと会話ができない患者だから、家族から集めた情報や皆さんが感じた事などを、全員で共有化するというのは、仕事を徹底している仕事師としても頭が下がるんだけど、それ以上に、自分達がどうやってケアできるのか、何をする事が患者や家族のお手伝いになるのかという事を真剣に悩みながら考えてもらえているのが、姿勢ではっきりと伝わってくるのです。
 だから、看護師vs患者の家族という接点以外でも、心から一緒に考えあえるコミュニケーションが取れているのは、本当に信じられないほど嬉しい事で、そのコミュニケーションが日に日に深まっているのが実感できるのです。
 やっぱり、生半可な根性じゃ続けられるはずのないICUで頑張って、本気で相手の為に仕事をしている姿というのは、見ていて感動モノの美しさだけど、ここの看護師の皆さんは、まさにその表現が当てはまります。(マジ・スゴイ!)

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