トワイライト裏業務日誌 2003年2月
2月1日
 今日は、朝3時半に起きてメール対応を済ませて、待望のスキー場に乗り込んだのです。
 オレの5年前を知っている人であれば、「シーズン券」を購入して通いつづけたアホだとか、朝から夕方までで50本滑るサルとかというキーワードを思い出される方もいらっしゃると思うんだけど、ディーラーを退職する前年に父の具合の悪化のために、当時連絡がつきにくかったスキー場にいるのはあきらめて以来、今日まで封印していたスキーの封印を解く時が来たのです。
 厳密に言えば、去年の正月にも行ったんだけど、ビギナーを教えて終わったため、何と最高のコンディションを目の前にしてリフトを1回も利用しなかったという、まさに”豪華ディナーを目の前にした、お預け状態”だったので、5シーズンのブランクがあったのです。(それ以前の歴史は浅く、たったの3シーズン)
 今日は、オレが登板している4つの専門学校の1つの担当学生達が全員でリクエストしてきたので、一緒に行ってきたんだけど、オレの日頃の行いが天山山脈ほどの良さ(どんな良さじゃ?)を誇っているご褒美なのか、これまた最高のコンディションでした。

 オレもひっさびさの滑走なので、最初は完全に「ど後傾」だったんだけど、夕方には、以前の感覚が比較的戻ってきました。(ま、30本滑れば、誰でも戻るのは当たり前という意見もありますが・・・)
 ちなみに学生達は、その滑走回数を全員一致であきれていました。(今日も合掌!)

 というワケで、30日の日誌のワックスとは、スキーの板のワックスでした。
 ベースワックスと滑走ワックスをかけたおかげで、板が走る走る!
 もう1つ、オマケを紹介すれば、スノボにはまっている学生曰く、オレがワックス用アイロンを持っているということに驚き、作業台もあることに、さらにあきれていました。(確かに、オレの周りで作業台を持っている人はいなかった・・・)
2月2日
{今日の用語解説}
 恒例?となった、ドラマGOOD LUCKに登場する用語の解説シリーズです。
 キムタクだけでなく、あの嫌われ者のマシンというキャラの堤真一が良い味を発揮し始めたし、あのキャラに変貌した理由が柴崎コウの人生と絡んでいるのは間違い無さそうで、本格的にシナリオを展開しているみたいですね。

 香港行きのジャンボが離陸する時に、キムタクが順次発したコールのV1VRだけど、これはV1が離陸決心速度でVRがローテーション速度です。
 滑走路の長さには限りがあって、もし離陸滑走中に何らかのトラブルが生じた際に、急減速して滑走路の端までに停止できる速度を指しているのが離陸決心速度で、なぜそういう呼び名が付いているかというと、その速度を越えたら、何があっても離陸するしかないので、そういう意味で離陸を決心する境界速度という意味から名づけられているのです。
 ちなみに、乗用車オーナーはともかく、空車と満載時の重量が極端に違うトラックドライバーの方であれば、ここで少し疑問が生じると思うのです。
 なぜかというと、エンジンを逆噴射し、エアブレーキを立てて、フルブレーキをかけても、その時の乗客や荷物の積載量で、同じ速度なのに停止できる距離が違うし、加速できる加速度も違うという問題があるからなのです。
 そのとおりで、滑走路の長さやその離陸する飛行機の燃料搭載量(航空機はいつも満タンで離陸しているワケではありません)、乗客などのペイロードといって機体以外の重量によって、加速度も減速度(制動距離も同じ)も違ってくるからなのです。
 何でわざわざ副操縦士がコールするのかというと、実は機長が離陸操作に専念できるようにという理由のほかに、毎回離陸のたびにV1速度は異なっているために、混乱させないように、アシストするパイロットがコールしているのです。
 ローテーション速度というのは、離陸するために機首を引き起こす速度の事で、このVRというコールに呼応して機長が操縦桿を手前にひき、機首を持ち上げる操作を行うのです。(この速度も様々な条件で異なります)
 本当は、この2つのコールの後にV2という安全離陸速度というコールもあるんだけど、ま、ドラマだからね。
 クルマの運転に、こういう手順がテンコ盛りじゃなくて、ホントに良かったと思いませんか?

 ちなみに、もう1つ紹介すると、キャビンアテンダントの言っていた「みんじ党の代議士の席」の”24ホテル”というのは、座席番号24Hのシートの事で、かなり前に日誌でも紹介したように、航空業界(だけじゃないけど)には、フォネティックコードという聞き間違いを防ぐ用語がアルファベット全てに決められていて、Hのコードが”HOTEL”だからなのです。(日本語のはおなじみの 「いろはの”い”」っていうヤツです)
 このフォネティックコードのネタは、外車のズラズラと英数文字が並ぶ車台番号を、海上自衛隊のお客さんに電話で伝える時に、オレが使ってビックリされたというネタを書いたけど、自動車業界でも定着するととっても便利なのになぁと以前から感じている用語です。

 あれ?
 カーショップの日誌じゃないぞ。
2月8日 リトルK
 1週間日誌を更新する間も無いほどマジメにオシゴトをしておりました。
 うそつけ!という声が、日本全国はもとより冥王星の彼方からも聞こえてきそうだけど、ホントがんばったんですよ!
 何しろ、本業だけで無く、専門学校の試験問題も最終提出期限の1週間前に退治したんだから。。。(去年は、ホントにガケップチで苦しんだから・・・ははは)
 というワケで、マジメな労働者になっていた今週の週末の今日は、半年に3回くらい講義を依頼されているフード関連の講座の主催者と、オレ以外の講師の方々の交流会みたいな食事会でした。
 場所は、マネーの虎の出演者というより審査員というか、OKなら出資する側の有名社長が提唱し、広島でも人気の和風創作料理のお店の「A」(イニシャルです)だったのです。
 そこをプロデュースしたKさんも一緒に計7名で個室での食事とフードビジネス、そして、いろいろな事に関する考え方などを話し合ったんだけど、次から次へと料理を運んでくる店員の1人を見ると、紛れも無く去年の春にオレが卒業生として送り出したNちゃんがいたのです。
 オレは出入り口から一番遠かったし、当時よりはかなりキレイになっていたので、ちょっと自信が無かったけど、声をかけたらNちゃんもビックリして、まさにフリーズ状態だったのです。。
 んで、Nちゃんにとって、顔見知りというか仕事を指導してもらっているKさんと、何でオレが同席しているのか想像つきかねているようで、Kさんも、「オマエ、見てておかしいほどあがっているし、顔赤いぞ」とNちゃんに突っ込みを入れていたのです。
 ははは、そりゃビックリするだろうなぁ。 まさか広島で超大手の飲食店プロデュース会社の有名人のKさんとオレに接点があるなんて、ちょっと想像できないだろうから。(しかもフードビジネスという仕事の接点だなんて考えないに違いない)
 その後、Nちゃんはワインをサーブする手も、緊張で震えていたけど、後でKさんに聞いた話では、お客さんへの心の配慮ができる、その店の中でも良いスタッフだそうで、それを聞くとホントにうれしかったのです。
 Nちゃんビックリ事件の後は、席がなごみ、スムーズに参加者の話が盛り上がったのは言うまでもありません。(そういう意味でも、Nちゃんに感謝!)

{本日のオススメ}
 その後、Kさんと、次にプロデュースされた、カフェスタイルのお店に行ったんだけど、そこで「サントリー響」の21年があったのです。
 オレは、この21年を飲んだ事が無くて、試しに1杯飲んでみたところ、久しぶりに絶賛したい味わいでした。
 個人的記憶をたどれば、結構前にお客さん(幼稚園の理事長)からもらったスコッチ以来の賞賛モノでした。
 そのもらい物のスコッチは、理事長も、友人の外国航路の船長にもらったらしいんだけど、理事長曰く「ヤツの土産だから、決して悪いモノじゃないと思うけど、ワシは味がよくわからんから、アンタ(オレのこと)が飲んだほうが、この酒も喜ぶ」という理由でいただいたことがあったのです。
 ちなみに、そのスコッチは、ラベルを見るとトルコのスコッチだったのです。
 ここでこういう事を言うと、「トルコ風呂」の再来で、トルコ政府から抗議を受けてしまいそうだけど、その時は「たかがトルコの酒」大した味じゃないだろうなぁ。なんて不遜な事を考えていたんだけど、持ってかえって弟と封をあけて、香りをかぐと実にGOOD。
 飲んでみると、これぞウイスキーの語源である「神の与え給うた水」と言っても良い味だったのです。
 後日探究心旺盛なオレは、そのブランドを調べてみると、日本の価格で15万円程度だったそうです。ひえ〜
 それに次ぐ味わいと言っても、大げさではなかったので、皆さんどうぞおためしを!(1本買うと高いので、ショットバーなどでどーぞ)
 オレの連れて行ってもらった店にはあるので、興味ある方は「響21年取扱店希望」とメールしてください!?

 オマケだけど、ここの女性スタッフには、全国のP(イニシャルです)のスタッフの中から選ばれた屈指のスタッフがいます。
 対応がスムーズだけでなく、キレイで温かみもある対応だと思ったのは、決して響の酔いのせいではありません。

{リトルK}
 実は、そのKさん、いろいろ噂(もちろん良い噂です)を聞いていたものの、初めてお会いして、それこそ忌憚のない話を交わしていると、痛感した事があるのです。
 それは、会う前の印象では、どちらかというとマジメなサラリーマンというイメージだったのが、アッサリと覆って、実にキャラの強い個性的な方なのです。
 そして、仕事への考え方だけでなく、若手の鍛え方や、仕事と遊びの考え方なんて、実にオレと同じで、Kさんのほうが年配なので、オレはKさんのコピーもしくは、リトルKと言っても良いカンジなのです。(要するに2人ともアウトローです)
 もし、Kさんをご存知でオレを知らない人、またその逆の方は、それぞれ知っている知識から想像してください。
 きっと、ご期待に応える事ができる似た点があると思いますから。。(収入の点では、オレはウルトラスモールKかも?)
 これだけ似た人間も珍しい・・・・というとKさんは迷惑な話かも。
2月9日 スリーライン
 スリーラインと言っても、アディダスではありません。
 今日のGOOD LUCKの用語解説をアップしていなかったら、「今週の用語解説はどうなったか?」なんて突っ込みのメールが届いたので、慌てふためいたオレは、昨日の番組を思い出しながら考えついたのがコレ。
 皆さんもご覧になれば判ると思うし、すでに本数はご存知だった方も多いと思うけど、パイロットのワイシャツの肩章とジャケットの袖章の金筋の本数の事で、副操縦士が3本、機長が4本ですよね。
 コレって、何で機長が4本で副操縦士が3本なのか知ってますか?
 「機長のほうがエライから」なんて、ええかげんな回答はダメだけど、本数の根拠は過去の経緯にあったのです。
 最近では想像もつかないことだけど、以前の旅客機は2人乗務ではなかったのは、30代の方であればご存知の方も多いはずで、ジャンボジェットと呼ばれる747もダッシュ400以前は3人乗務で、フライトエンジニアという運行乗務員が乗っていたのです。
 更に、古(いにしえ)を紐解くと、他にも通信士、航法士等が乗務していて、それらの乗務員が1本や2本のラインだったために、副操縦士が3本、機長が4本なのです。
 ついでに言えば、これは船を元に制度化されたもので、船長が4本で航海士としての資格によって1本〜3本が区別されていたのと整合をとったという意味もあるのです。
 結構旅客機の用語や考え方には、船を元にしているモノが多く、飛行機をシップと呼ぶのも、その名残です。(空港だって、ホラ、空の港でしょ?港、港に女がいるのも、パイロットはちゃんと受け継いでいるのです・・・・と、コレはウソ)

 ちなみに、同じように整合性を取っているものに、海上自衛隊の階級章があって、これもよーく見てください。
 4本線の場合、1等海佐(旧軍の時は大佐)という階級なんだけど、その理由は、その階級の自衛官が艦長になることが多いという、旧海軍の名残なのです。(ちなみに、現在の海上自衛隊の護衛艦は、軍艦としては小型の駆逐艦クラスなので、1等海佐ではなく2等海佐が艦長の場合が多いのです)
2月11日
 一昨日の日誌のスリーラインで思い出した、久々のクルマ関連ネタです。
 ご存知の方もいらっしゃるかも知れないけど、久々に再開された国家資格があるのです。
 え?全日本大食い名人だって?
 それは国家資格じゃないし、オレをそれに命名しようと思っても大きな間違いで、オレなんて全国規模では「並みの食欲」のはずなのです。(自負!?)

 なんで、運行乗務員の一番最下級の副操縦士が3本線(まだ2本線の搭乗員がいる航空会社も存在します)で1本じゃないのか?という疑問は9日の内容で納得してもらったと思うけど、これまで自動車整備の国家資格は最高位が2級だったのです。
 1級の無い資格なんて・・・とクリープのCMでも出てきそうだけど、なんとこの状況が数十年続いていたのです。
 コレって、世間の方から見れば、明らかに違和感のある話だと思いますよね?
 実は、昔に1級の検定があったものの、検定を行わないようになったために、これまで1級保持者というのは、最高位の資格保持者というよりも、相当の年配者というほうが実態を顕していたのです。
 それが、ホントに久々に1級の検定が再開されて、もしかすると日誌をお読みの方の中でも受験された方がいるかも知れなくて、春には合格者が発表されるのです。
 これで、「晴れて名誉の最高位」と言いたいところだけど、本当の整備技量や知識とイコールかというと、これが実に微妙なのです。
 オレも問題に目を通してみた(受験したわけではありません)んだけど、これまでの2級のような一般的な基礎知識というよりも、個別の最近の技術と整備現場のリーダーとして考慮しなければいけない工場環境衛生や安全対策に力点がおかれていて、後者は、ちょっと笑っちゃうようなレベルの問題が出題されていたものの、個別の技術は、それを採用しているメーカーとは関係無い整備士には、ちょっと困った内容だったり、採用しているメーカーの整備士でも、メーカーによって呼称が違うものがあるので、場合によっては、何の話かわからないと思ってしまう内容もあったのです。
 多分、技術や部品などの呼称は、JISで基準になっている呼称を使っているんだろうと思うけど、要するに、合格の近道は、日々の診断技術向上よりも、受験対策をしたほうが良いという話になってしまいそうです。
 というワケで、2級保持者と1級合格者を比較すると、必ず1級のほうが、腕の良いサービスマンとして信頼できるとは限らない・・・というのは、どこの業界の資格でもありえる話で、やっぱり資格試験の限界なのかも知れません。
 でも、合格の予感をお持ちの方、おめでとうございます!
2月14日
 世間がバレンタインデーで浮かれている今日の夜。
 オレは、卒業生をガッツリと説教することで夜は更けました・・・・・はぁ。
 ちなみに、これは悪意ある説教ではないし、卒業生の彼女からのリクエストで、日程もこの日でOKということで実施と相成ったんだけど、おかげで帰ったら午前様。
 ウチの親は、きっと遊んで帰ったと確信しているに違いない・・・ってところです。

{信用がない続編?}
 ところで、ホンダの全国ディーラーを中心に(もちろん、その中の一部です)発覚している新古車販売問題だけど、某雑誌が問題提起していたのが、あっという間に燎原の火のごとく大問題になって、一般紙にも取り上げられ、政府も問題にするようになってきましたね。
 この問題、オレ個人としては、実にビックリしたんだけど、それは皆さんのビックリとは、かなりニュアンスが違っていて、「いくら何でも、そんな幼稚なやり方じゃ、バレるに決まっているじゃないか。それなのに目先の利幅のために、何でそう言う事ができるんだろう」というものなのです。
 というのも、昔から取得税をちょろまかすというのは、一部の自動車販売店では行われていたんだけど、それとこれは明らかに発覚しやすさが違うのです。
 何しろ、すでに1度登録した車を新車と称して販売する方法も採っていたというのは、車検証を見れば、一発でわかるのに、それを平気でやれる神経は、どう考えても信じられない話だったのです。
 だから、以前の不正は、一般の人では確認する手段があまり思いつかない自動車取得税額をごまかして、余分に取り上げるというものだったのです。
 ちなみに、この自動車取得税というものは、非常にわかりにくいものなんだけど、新車の場合は、車両価格から50万円引いた金額の5%というのが基準だったはずなので、新車の場合はわかりやすいと思います。
 中古の場合は、「自動車取得税額一覧表」という大型の辞書のような本があって、これが半年事に更新されて、それぞれの型式と類別(グレードその他の仕様)で確認できるようになっているのです。
 マトモで中古車を大量に販売する販売店であれば、ほとんどの場合、お店に備え付けられているし、商談の時に、それをお客さんの目の前で開きながら金額をチェックしているお店(もしくは販売員)は、そういう意味ではマトモなお店のはずです。
 ちなみに、この中古車の自動車取得税というのは、1月と7月に見直されるので、12月の下旬と1月の初めでは、同じ車を買っても税額に差があるので、そういう微妙なタイミングの時には、タイミングをシッカリと見極める事も節税のポイントです。
2月15日
 今日の午後は、なんとオレには似つかわしい場所であるファッションショーに出かけてきました。(ね、似合わないでしょ?)
 もちろんファッションショーと言っても、日帰りでパリ・ミラノコレクションに、超音速のコンコルドをチャーターして出かけたわけではなくて、来年部分的に担当する事になった専門学校の学生達が開催するファッションショーで、学生達がどの程度の実力なのか、どの程度の熱意があるのかを事前調査みたいなノリで、乗り込んできたわけです。
 当初は、あまり大した事無いだろうと、ナメてかかっていたものの、作品だけで無く、構成や演出を含めてもかなりのレベルにあるのでビックリしたのです。
 アレなら、確かに800円とっても、納得できる内容でした。
 ま、難を言えば、ウォーキングなどに完全の余地があって、どうも普段の歩き方のクセがそのまま残っていたんだけど、なかなか気合いが入っているその内容に感動モノでした。
 皆さんも、パリ・ミラノへ行く時間も費用も無いという方、是非次回のショーにお越しください。(その時の作品は、もちろんオレの教え子の作品です・・・・オレはデザインには、もちろん口出ししません。口出すと・・・悲惨なデザインになりかねませんよね)
 そうそう、このショップオープン後、間もなくから始まったオレの講師としての側面も、来年度少し担当学校や内容が変わります。
 それによって、無くなる学校もあるんだけど、この専門学校のように、またまた専門外の分野なのに、お手伝いする事になる学校もあるので、4月からドタバタ劇を繰り広げると思うから、それはまた日誌でご紹介します。

{最後の学生}
 その来年度の契約をお断りした某専門学校の最後の学生との講義が13日にあったのです。
 なぜ、来年度を引き受けなかったかというのは、本業が忙しくなって時間を作りにくくなっただけでなく、その学校の教育に対する姿勢があまりにもいい加減だったために、その改善を求めていたものの、3年間全く改善の余地が無いと判断するしかなかったために、そういう事になったんだけど、1コマだけ担当していた1年生に、今年度で契約終了なので、もうこれが最後の講義であることや、色々な想いを告げたんだけど、学生達から、色々なコメントを寄せてもらって、それを帰ってから読んでみると、ホントに涙が出そうでした。(花粉のせいではありません)
 みんなの要望で、名刺を渡して帰ったので、メールもたくさん届いたけど、2年生で担当しないものの、お詫びのしるしに学校での悩みに限らず、個人的な悩み相談もOKだと言っているので、これからは人間としてのお付き合いが続きそうです。
 何人からもリクエストがあったけど、もちろん、飲みもOKです!(でも、専門学校1年生終了というのは、多くの場合19歳という気が・・・)
 はやくハタチになぁ〜れ!?
2月18日
 実は、久々のボウリングをしてきたのです。
 というのも、去年の9月に作って、「夢中になったサル」呼ばわりされていた原因のマイボールの指が抜けにくくなって、多少調整したり、抜けやすくするために、色々な対策をおこなっていたんだけど、抜けにくいどころか、全く抜けないに近い状況のために、関節までいためてしまったので、それの療養とボールの修正をおこなうべく、しばらく仕事に専念?(ウソ)していたのです。
 んで、紆余曲折があって、今回ボールの穴を開けたり、こまかな設定を相談するドリラーの方を替えてみたのです。
 皆さんもご存知のように、小市民?のオレとしては、知らないドリラーに「取って食われ」るんじゃないかなどとドキドキしながら、新しいドリラーのいるところにお邪魔したんだけど、持ち込みのボールにも関わらず、実に気持ちの良い対応だけでなく、症状を言うと、手とボールをチェックして、オレの言いたい困った点や今のボールの球スジや球質なんかもピッタリと言い当ててもらったという、まさにボールの占い師?みたいな方でした。
 ドリラーに限った話じゃないんだけど、専門業種のアドバイザーというのは、単に専門知識を持ち合わせていれば、それでOKかというと、そんなワケは無くて、シロートであるお客さんが、何を不満に思っているか、そして前提条件として何を知っていて、何を勘違いしているかを推測し、それをシロートの言葉に変換して説明できるかどうかというのが欠かす事のできない能力なのは、皆さんもお気づきのところだと思うんだけど、そういう思考やアプローチができるドリラーなのです。
 以前のドリラーは、そういう部分がまったく欠けていて、ともすれば木で鼻をくくったような対応だと受け止められる危険もありそうだったので、今回ボールの穴を開け変えて、ようやく投げる事ができるようになっただけでなく、これまで疑問に思っていた数々のナゾも、たった10分のコミュニケーションで氷解したのです。
 ま、他にも衝撃的な事実が発覚したけど、これはマイボール所持者じゃないとわかりにくい話だし、ここで書く事でもないと思うので、氷解ついでに、水に流しておこうと思います。
 というワケで、穴を開け替えたのは、16日だけど、今日初めて修正後のボールで投げたところ、最初は親指がこれまで以上に抜けすぎる事もあり、3連続G(ジャイアンツではありません・・・)だったものの、穴の調整用のテープを貼ったり、慣れたりしたら、3ゲーム目は170になりました。
 とりあえず、3ゲーム目で、その程度になればOKかなと喜色満面の新枝でした。(30ゲーム後に200になるかどうかは、別の話です)
2月19日
 韓国の地下鉄火災は、本当に大変な惨事になってしまったようですね。
 今回の災害で、防災という観点では、かなり問題点が山積みだったのではないかということが、一部報道機関で報道されていたけど、それを見るにつけ、以前、韓国へ出張を頻繁にしていた知人が言っていた言葉を思い出したのです。
 それは、当時見る見る近代化していた韓国だけど、それは外部から見える部分が、他の先進国並みになっただけど、中身はまだまだ時代遅れなモノが多いという言葉で、当然実態を知らないオレとしては、その知人のほうが偏見を持っているのではないかと感じたことがあるくらいなのです。
 ところが、今回ビックリしたのは、98年頃に開業した地下鉄路線なのに、あんなにアッサリと車両が炎上していたことで、日本では昭和40年代にすでに対策されている事さえ、まったく手付かずだったのには、ビックリを通り越してしまうそうだったのです。
 多少は、ニュースなどで報道されているので、すでにご存知の部分もあるとは思うけど、ニュースで触れない部分をご紹介すると、日本では地下鉄用もしくは、路線の中の地下部分が多い路線用の車両は、A-A基準というものをクリアしている事が求められているのです。
 これは、材料だけでなく構造なども基準として求められている内容で、それによって難燃化対策その他が施されているのです。

 さて、車の場合はどうかと言うと、これは90年代にようやく難燃化対策が盛り込まれたので、最近の車の場合、燃料が車内などに入り込んだりしなければ、新車と同じ状態であれば、あっという間に大炎上なんて事だけは避けられるんだけど、実情もそうかというと、そうでもない理由もあるのです。
 というのは、そのルールは、型式認定されている車(書類だけで登録できる、いわゆるメーカーの車)の新規登録するタイミングまでしか適用範囲になってないために、登録後、個人的にアレコレ装着する部品などは、制限の外になってしまうのです。
 だから、例えば、キャンピングカー仕様にして新規登録する際には、そのキャンパーキットの材質が難燃素材かどうかという事まで資料が無いと登録できないという厳しい基準が適用されるんだけど、登録後に雑貨屋さんで購入した易燃素材のクッションなどをテンコ盛りに車内に持ち込まれていると、それはアッサリ燃え上がるワケです。
 ちょっと意地悪く突っ込むと、指定部品以外の易燃素材を使用したパーツの取付を、登録前に行うと違法になるし、”どノーマル”な新車でも、納車前に、シート等の汚れ防止のビニールカバーを除去せずに納車すると、これはマズイのです。(実際にメーカーから、取り外して納車するように指導があるけど、お客さんの依頼などで守られてないケースも多いのです)
2月21日
 2夜連続の中距離ドライブ?になりました。
 というのも、すでに何度もご利用をいただいたIさんが、不幸にもバンパーを「当て逃げ」されてしまったために、板金のご依頼をいただいて、代車を用意して取りに行ったのが昨夜。
 今朝1番で工場に搬入して、保険会社との交渉などを開始したところ、バンパーの交換でOKになったのは作戦どおりだったんだけど、何とそのバンパーは、部品の段階からボディ色に塗られている部品で、しかも在庫があったので、あっという間に作業が終了して、今夜納車になったというワケで、部品交換という前提ならカーコンビニ倶楽部よりも早いかも?なんてビックリしながら、Iさんの予定を聞いたら、Iさんも今日の完成にビックリされていました。。。(唖然!という状態だったそうです)

{発する1言、恥1秒?}
 オレが引き取って帰る場合というのは、もちろん依頼内容の事だけでなく、他の事(と言っても、どこやらのTさんのように、女のコの事を考えているワケではありません)もたくさん考えながらというか、チェックしながら持って帰る場合が多いのです。
 例えば、今回のような板金の引取りなんかの場合でも、エンジンのフィーリングがどうだとか、旋回時の異音があったとか、カワイイ女のコが歩いていただとか(これはウソ!)、そういう事もチェックして、お客さんのお耳に入れておくほうが良いと思われる内容については報告するように心がけているんだけど、昨夜もって帰ったときには問題なかったものの、今朝工場に回送する際にエンジンを始動すると、メーターの中に、青い冷却水関連のようなワーニングが点灯していたのです。
 「ありゃ?これは昨日点いていなかったけどなぁ」と思いつつ、赤ではなく青いワーニングなので、緊急性のある内容ではなく、”ある症状”を現示しているのではないかと想像しながら様子を見て運転していると消えたのです。
 「あぁ、やっぱりね」と思い、工場に到着して早速点検を開始したのです。
 というのも、これまで熱的に厳しい車には時々そういうワーニングが装備されているんだけど、放熱効率の低下を防止するために、ラジエターの液量が若干下がるとセンサーが作動して、ラジエター液量ワーニングが点灯する車種があるのです。
 それも、オーバーヒートなどという危険ゾーンには達しないものの、できれば液量をチェックしてほしいというレベルのところにセンサーを設置している車種の場合、そのワーニングが赤ではなく、黄色、緑色、白色などであることが多いので、てっきりオレもそうかと思っていたのです。
 その場合、エンジン(この場合、正確にはラジエター)が温まって、冷却水の温度が上昇すると、当然冷却水も膨張するので、微妙にセンサーの下まで減少している場合は、冷却水が温まる事でセンサーよりも上にレベルが上昇するために、ワーニングも消えるというケースがよくあるのです。
 ところが、リザーブタンクには、問題無い程度の液量が入っているので、うまくリザーブタンクの冷却水がラジエターに吸い込まれないのか、センサーの不良かも知れないということで、最終的な判断はラジエターの冷却水が冷めるのを待って診断しようと思い、Iさんに「冷間時に青い冷却水系統のワーニングが点灯する事って無かったですか?」なんて質問したら、何と「ご覧になってお分かりのようにヴィッツは水温計が無いために、それの代りとして冷えている時には青いワーニングが点灯するようです」というお返事をいただいたのです。
 ひっさびさに恥ずかしかったの何のって、ワンポイントアドバイスのつもりが、観察力の不足を白状したようなもので、まさに穴を掘ってでも隠れたい心境でした。
 確かに、改めて見ると、水温計はありませんでした。。。。
 Iさん、お騒がせしました。(反省)
2月23日
 実は、ホンダのフィットの事で、皆さんにご相談です。
 というのも、あるキャリアメーカーの車種専用のアタッチメント(もちろんフィット用)が、特定のフィットに装着できなかったという事例があって、お客さんと色々なやり取りの上、メーカーの拠点からそこそこの距離だったので、事前交渉を積み重ねて、メーカーの担当者に現車確認をしてもらったのですが、車種専用アタッチメントを設計する際に、型取りに使ったフィットと、ボディ寸法が違っていたという話なのです。
 キャリアメーカーも、そういう事実に初めて直面し、その理由を調べているようだけど、メーカーの仮説としては、フィットの製造ラインによって、寸法が違うのではないかと言っていたのです。
 オレは、自動車メーカーに非常に近かった経験からして、それはありえなくて、もしそういうルーフパネル等が別寸法(左右2mm程度違うそうです)の車が存在するとすれば、途中で何らかの対策として、ルーフやドア関連を設計変更し、ある製造時期以降が別のバージョンのなった可能性が高いのではないかと考えているのです。
 そうでないと、製造ラインによって違うなんていう事になると、ドア等を製造する協力メーカーは、非常に困った事になるし、修理する際も、何かと不都合が多いからなんだけど、皆さんこれについての情報をお持ちであれば、ゼヒゼヒお手数ですがメールをお寄せください!(お願いします)
 オレ自身、他のパーツが途中で寸法変更されたような経験はたくさん持ち合わせているものの、ボディの基本コンポーネンツが変更されるなんて事はあまり経験が無くて、旧型のエスティマ系でフロントドア周辺の変更があったという話程度しか確認していないので、皆さん重ね重ね、お客さんと、今後フィットでシステムキャリアベースなどを検討されている方々、そしてキャリアベースメーカーに早く対策を取らせるために、よろしくお願いします。

 ところで、このボディが製造ラインで違う疑惑というのは、自動車業界では全く一般的ではない話なんだけど、同じ輸送機器のグループには、結構存在しているのです。
 例えば、鉄道車両。
 解りやすい例えでいうと、京浜東北線の209系という通勤電車は、同じ車両型式の車両でも製造会社によって、微妙に仕様が違うのです。(試作車と量産車の違いではありません)
 他にも、メーカーによって細部が違う車両はナンボでもあるらしいのです。
 そして船。
 特に少数生産の大型船は、同じ仕様の姉妹船と言っても、基本設計は同じものの、やはり細部設計は結構違うらしいし、現場レベルで穴をあけたりする部分は、かなり裁量権があるようなのです。
 というワケで、時期ごとの仕様変更はともかく、金太郎飴のような同じ製品を続々生み出す自動車での、このビックリ事件、どうか良い情報をくださいね。

{今日の用語解説 スペシャルバージョン}
 先週は、取り上げるほどのキーワードが無かったのでパスしたんだけど、今週はその分テンコ盛りでお届けします。

(ダイバート)
 ま、これは話の流れで皆さんもわかったと思うけど、本来の目的飛行場が天候や事故などで着陸できない場合に、代替飛行場等に向かう事を言うのです。
 とは言うものの、話の流れから推測すると、事前にフライトプランに書き込んでいた代替飛行場は新千歳ではなく、関空だと思われるんだけど、目的地までの必要燃料+代替飛行場までの燃料+30分の旋回時間分の燃料というのが最低必要とされる燃料なものの、これに機長の判断として、どれくらい余分に燃料を積載するかというのが、機長のウデの見せ所なのです。
 車の感覚では想像つきにくいとは思うけど、航空機の場合、機体の重量に匹敵するくらいの燃料を積載できる機種が多く、それによって余裕を積み込みすぎると、燃費が悪くなってしまって、会社から睨まれるし、かといって、空中で燃料不足は、車の場合の心細さの比じゃないのは、誰でも想像できると思うけど、正確な判断力さえ失わせてしまいかねなくて、どう考えるかという部分に機長の性格や経験が顕れるそうです。(by某社の運行管理者)

(カンパニー)
 堤真一がキムタクに「カンパニー」を呼び出して、関空へのダイバーションを〜というセリフがあったと思うけど、実は旅客機の場合、航空管制と無線で話をするだけでなく、各航空会社の航空機と対応する専門の部署とも別の周波数で、色々なやり取りをしているのです。
 実際には、ダイバーションをおこなう場合は、確か機長が国土交通省の航空管制部署に許可をもらうはずなので、事前にANAのカンパニーを使って、関空の天候などの情報を事前調査しておけという指示だったのではないかと思うのです。
 カンパニー無線は、色々な使われ方をしていて、まさに業務無線なんだけど、中には機内でベロベロに酔ったお客があるので、着陸後車椅子と空港の医務室の手配をなんていう相談もあるらしいですよ。

(PAPI)
 といっても、どこかの団体名称ではありません。
 これは、用語としては誰も使わなかったけど、新千歳からリターンして成田へ着陸する際に、滑走路の手前の誘導等などが見えて、しばらくすると、滑走路の左側に白色が2つ、そのヨコに赤色が2つで計4つのランプが点灯していたのをお気づきの方はいましたか?
 これがPAPIという精密進入経路指示灯というもので、実はこの4連灯は、進入する時に、着陸する(最初に接地するという意味です)ポイントから、何度の角度で進入しているかという降下角度によって、見える色が違うのです。
 ちょうどよい降下角度の場合、TVのように赤が2つ白が2つに見えるんだけど、それまでの降下角度が大きくて、接地ポイントから適切な角度で伸ばして見た際に、現在の高度が低かったら赤色が増え、その逆でそれまでの降下角度が小さすぎて、その地点での理想的な高度よりも高い場合は白色の灯火が多くなるようになっていて、PAPIを見るだけで、適正な進入角度や高度であるかどうかがわかるようになっているのです。
 したがって、滑走路の手前に墜落する時には、もちろんPAPIは4つとも赤に見えちゃうので、これを知っていて見てしまうと絶望的になりかねないんだけど、幸い?な事に、客席からは降下中に見える事はありません。。(よ・喜べん!)

 まだまだあるけど、ここらへんで幕にしとこうっと。
P.S.
 ちょっと確信が無いんだけど、香港帰りのハイテクジャンボ(ダッシュ400)、新千歳へ着陸する際の映像を見ると、主翼の端に”ウイングレット”が着いていなかった。
 これは燃費を改善するために、主翼の端に上下にピコッと着いたオモチャのような羽(整流板?)なんだけど、国内用に使用しているJALのダッシュ400の場合には、距離が短いため燃費削減効果が小さいということで国内用のシップだけは取り外してあるという話を以前聞いていたので、それが今も間違いなくてANAも同じであれば、あれはきっと羽田-新千歳の便を撮影したんでしょうね。
 こういうのって、撮影スケジュールの問題や、実際に運行していない機材だったりして、判っていても「ま、そこまではわからんだろう」とか、全く認識が無くて、その分野に詳しい視聴者には笑えるネタになったり、しらける原因になるという話だけど、こういうのって皆さんも色々チェックされていますよね?
 個人的に一番ガックリだったのは、映画ブラックレイン(松田優作の遺作)で、2ストロークのオフロード(か、トレール)バイクが、4サイクルの直列4気筒エンジンのエンジン音を自慢げに響かせていたことでした。
 ありゃ、また脱線じゃ・・・今度こそ幕です!
2月27日
 皆さんありがとうございます!
 さすがウチのウラ業務日誌の読者の皆さん。
 23日のお願い光線をバッチリと叶えてもらって、フィットに関する情報をいくつもいただきました。
 特に、業界事情通の御二方の見解は、実に参考になったので、現在キャリアメーカーと一緒に検討を進めています。
 メーカーも動かす、皆さんの草の根運動!?というワケで、改めて皆さんにお礼です。(ホントにありがとうございました)

{今日のコラム}
 山陽新幹線の居眠り事件は、先日韓国の地下鉄の職員の不適切な関係?じゃなかった、業務遂行で多大な犠牲者を出した直後だけにマスコミも大きく報道しているし、JR西日本も、厳しい処分と対策を行うような報道がなされているのは皆さんもご存知のとおりで、処分の方向については、多少個人的には問題視したいところがあるものの(皆さんには意外な問題視の仕方です)、大きな影響のある事件だと思うけど、それはさておき、ちょっとTVや新聞ではうまく実態がつかめないと思われるATCという自動列車制御装置に関する部分を紹介しておこうと思うのです。
 今回は新倉敷駅手前から岡山駅で車掌に起こされるまで全く記憶が無く、熟睡というか爆睡していたと言う事だけど、「その間270km/hで8分間も暴走していた」というような表現がとられているのは、あまりにも不安を煽るような表現だという事を理解してみてください。
 というのは、走行中の速度は、加速に関しては、運転士がマニュアルで加速しなければ加速しないんだけど、減速に関して言えば、ATCによって、前の列車との間隔やカーブによる速度制限を考慮して、運転席に伝えられて、その速度区間の手前で自動的にブレーキがかかって、安全速度に減速されるのです。
 ただ、今回の区間も含めて従来のATCは、あまりにも機械的にブレーキがかかるので、運転士はその手前で自動のブレーキがかからなくて良いように、緩やかにブレーキをかけて、滑らかな走行になるように操作しているのです。(ここがウデの見せ所の1つです)
 そして、その指示速度というのは、停止駅に近づくにつれて210km/h、170km/h、110km/hと、低い速度の指示が出され、駅構内の手前で70km/hとなり、〜中略〜停止位置の手前では、確認ボタンを押さないとブレーキが緩まないて停止してしまうために、問題の電車は、徐々に自動的に減速し、その確認処理をしていなかったために、ブレーキが緩まないまま停止位置手前で停止したのです。
 オレも、今回の事件が、大した事無いなんて思ってはいないものの、マスコミの報道では、非常停止になったので大災害にならなかったけど、「暴走してカーブで脱線転覆したかもしれない」というような雰囲気がアリアリとしているのは、実態以上に恐怖を植付けかねないので、この点は皆さんも理解しておいてほしいと思います。

 でも、寝ていると前だって見ていないじゃんか!と思う方も多いだろうけど、そもそも新幹線の運転士というのは、駅構内以外では前方を監視する義務が無く、仮に運転中に前方に異常を見つけることができて対処できたとすると、その運転士は課せられた義務以上の仕事をやったという、実は要求以上の仕事なのです。
 なぜ、前方監視義務が無いかというと、これはカンタンで、高速走行中に前方に異常を発見しても、速度が速過ぎて対処できないからで、(何しろ、最高速度から非常ブレーキをかけても、2〜3km走行してからじゃないと停止しないのです)前方監視を運転士に課さなくても済むように、踏み切りが無かったり、信号を見て操作しなくて良いようなシステムになっているのです。
 だから、今回危険だった点を挙げるならば、マスコミの報道のように、270km/hで寝ていて暴走していたという事ではなく、運転中に運転士の五感で確認できるような車両異常が生じた際に対処できなかったという点と、駅構内に進入して、例えばホームからお客さんが転落しても、手前で止まれるようにブレーキをかける事ができないという2点が危険な内容なのです。
 ついでに言えば、昼のワイドショーで、コメンテーターが1人乗務の危険性について問題視していたんだけど、確かに昔のように2人乗務にするのは対策には違いないけど、1人乗務で居眠り事故を防止して事故を防ぐという見地であれば、新幹線よりも在来線のほうが効果が高いのです。
 というのも、在来線の場合、ほとんどの線区では、赤信号を見落としても自動でブレーキを掛ける装置は装備されているものの、カーブで寝ていてブレーキを掛けなかったからと言って、自動的に減速してくれるようなシステムは存在していないので、新幹線の場合は、今回のようにインシデント(小さな事故)に留まったものの、在来線のほとんどの線区では、脱線事故などにつながるからなのです。
 きっとコメンテーターは、最高速度の事が頭にあったので、「新幹線だからこそ〜」と思ったんだと想像するものの、実情を言えば、むしろ在来線の危険のほうが大きいのです。

 でも、決して居眠りが許される事じゃないし、問題だと思うのは、皆さんの感じられているとおりなんだけど、運転士の事情聴取のコメントが真実で、前夜10時間眠っていて、病気や薬の服用も無いのであれば、個人の責任にしても、問題の根は残ったままになるとオレは感じていて、例えば最近着目されている、睡眠時無呼吸症候群なども含めて疑ってみて、もしそのような背景があれば、運転士個人の処分よりも、運転士のそういう背景要因も健康診断などで調査したり、会社として対策するほうが、全体的な安全対策としては重要だと感じています。
 そういう意味で、どのような原因究明と処分になるか、行く末を見守る必要があります。
 ちなみに、明後日、オレは仕事でその区間を新幹線に乗車します。アハ!?

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