074-001 ヘッドライトバルブの明るさはワット数で比較できるの?
 一般的にワット数を明るさの物差しにして、ヘッドライトバルブを選んでいるようですが、実は明るさとワット数は比例する関係ではないのです。
 というのも、よく表示しているワットというのは消費電力のことで、明るさの単位ではないのです。
 消費電力が大きければ、より明るくするための潜在能力があるということにはなりますが、それが明るさに直結しないというのが現実です。

 エンジンを例に例えてみれば、バルブの消費電力というのは、エンジンの排気量に似た物差しと言えます。
 排気量の大きなエンジンであれば、より大きなパワーを生み出せる潜在能力はありますが、実際には2000ccのツインカム・ツインターボ搭載のエンジンと、2500ccのツインカムでは2000ccのほうが大きなパワーを出せることが多いのと似ているのです。
 よくご存知の方であれば、今までのヘッドライトバルブでは、タングステン(白熱球)、ハロゲン、キセノンというタイプに大きく分けられるというのをご存知だと思います。

 そしてタングステン〜ハロゲン〜キセノンと後者になるにしたがって明るくなるというイメージがあると思いますが、メーカー装着の多くのバルブの場合、ハロゲンよりタングステンバルブのほうが消費電力が大きくなっており、明るさは消費電力の少ないハロゲンバルブのほうが明るいのです。
 最近、家庭用の電球でも”明るさ40w相当”とうたった消費電力32wなどという電球は、この関係をよく説明していると思うのです。

 では、なぜそのような事になるかというと、電気エネルギー(消費される電力)のなかのどれくらいの割合のエネルギーが光に変わるのか?ということで明るさが決まるのです。
 したがって、明るさを比較するには、光源の明るさ(カンデラ)で表示するのが良いのですが、その測定するための基準も何も決められていないので、大まかな目安として、どのような方式か(タングステン、ハロゲン、キセノンなど)、消費電力がいくらか?というものでしか判断できないのです。