061-016 | レーダー探知機の評価はどう考えればいいの? |
レーダー探知機は、さまざまな商品が出ているだけでなく、高感度の探知機がいいという評判ですが、どういう基準で見つければいいのでしょうか? |
確かに私も知らないメーカーや商品も含めると、相当な数の商品が出回っていますよね。 そして、その特徴は、すべて高性能!などというコピーで表示されているので、何がどう違うかというのはとてもわかりにくいと思います。 すべて高性能なら5,000円クラスから50,000円クラスまでの価格差は何だ!?ということにもなりかねません。 {基準 その1 感度} やはり感度は大切です。 探知機というのは、電波の受信機でもあるわけですから、受信できないことには話になりません。 そういう意味では、やはりある程度以上の感度が必要になるのです。 具体的にどの程度の基準をクリアすればいいかということについては、実はカタログスペックでは答えようが無いのです。 確かにスペック上の違いはあるのですが、実用上での違いになる基準ではなく、そのために実際のレーダー取締りに対してどの程度の差があるかどうかというのは、現場でのテストでしか判断するしかありません。 ただし、同一メーカー内での比較は、感度設定段階などでわりと比較できます。 ところで、感度が向上すればいいことばかりなのでしょうか? 実は、感度がいいというのは、なんでもかんでも受信するという意味にも近いところがあって、いろいろなノイズも受信して反応してしまうのです。 例えば、自動ドアの漏れ電波、別の周波数を使っている電波の歪んだ成分(高調波と言います)や、近くを走行している車に搭載されているレーダー探知機の内部からの漏れ電波(古い機種に顕著です)などを取り締まり電波と勘違いして反応してしまうからです。 そういうふうに何でもかんでも反応してしまうと、いつもアラームが鳴りっぱなしになってしまい、いつ減速していいか(速度違反をしていなければいいだけのことですが)わからなくなってしまいます。 したがって、絶対的な感度も必要だけど、度を越えると実際に使う上では迷惑な話なのです。 {基準 その2 反応速度} では、高感度といわれる探知機は、すべて誤作動のカタマリなのでしょうか? 実は、そういう商品もあります。(某メーカーのどこより高感度であるというのをうたっている商品など) でも、わりとそうでない探知機もあります。 その差は何なのでしょうか? 一つは、電波を受信するときにお目当ての周波数以外を拾い上げないようにする設計がしっかりしている場合です。 もう一つの代表例は、受信してもすぐアラームを鳴らさずに、一定の時間連続して受信してからアラームが鳴るようにしているケースです。(これを時定数を遅くしていると言います) しかし、感度は高くてもアラームで気づくのが遅くなるわけですから、本当の取り締まりでは、意外と手前まで反応しなかったりするのです。 そして、このような誤魔化しが通用しなくなったことに、Hシステムとステルスレーダー取り締まり機の登場があるのです。 細かく説明するのは長くなりすぎるので控えますが、これらには反応速度の速い対応が必要なのです。 しかし、反応速度が速ければ誤作動が増加するという矛盾は、基本的に解決できませんから、別の方法で対処する必要があるのです。 {基準 その3 誤作動除去} 誤作動の原因になる電波を除去できない以上は、なるべく感覚的な誤作動を取り除く方法を考えなければいけません。 例えば、停車中にはアラームは不要ですよね。(速度違反をしていないわけですから) そして低速加速中には、これまた必要とは言えません。 こうした領域で感度を低下させたり、アラームそのものを止めてしまう機能が優秀なモデルやメーカーとそうでないものがあるのです。 誤作動が多くなれば、利用者の心理として「あぁ、またかな?」なんて思ってしまうので、ホントの取り締まりの時には対処が遅れてしまいます。(このポイントは、イソップ童話?のおおかみと少年の少年のコメント”おおかみがきた”というのと同じでしょう) だから、ちょっと反応速度を向上しても、それ以上の時間をドライバーが何の操作もしないまま様子をうかがっていると全く意味が無いばかりか逆効果なのです。 したがって、反応速度はまあまあ、そして誤作動除去システムがシッカリ整備されているメーカーのほうが便利がよいということになります。 {基準 その4 人間の感覚を利用する} 人間はとてもファジーで柔軟な対応能力を持っています。(一部そうでない方もいらっしゃいますが) そこで、経験を積んでくると、同じアラームでもちょっとした反応の違いで、誤作動かどうかというのは少しならわかってくるものです。 でも、その違いを確認するというのは、当然受信してからアラームなどの鳴りかたを聞きながら考えるわけで、それではいくら感度が高くても、その間の時間が無駄になるので効果的とはいえないのはおわかりでしょう。 そこで、先ほど書いたように、一般的な反応方法は、やや反応速度を遅めにしておき、緊急対処が必要なステルスレーダー取り締まり機や(レーダーに反応しない)光電管による取り締まり現場の無線を受信したときには、聴覚的にすぐわかるようにするほうが、結果としては高感度探知機よりさらに手前での対処が可能になるのです。 通常はAメロディ、無線電波を受信したらBメロディ、緊急対処が必要なステルスを受信したらCメロディというように、アラームの音色を変えておくと、様子を見て対処をして良いか、スグに対処が必要かカンタンに判断できるのです。 {基準 その5 フール・プルーフになっているか?} 商品の細かい比較をできる店員でも、結構見落としているのがこの部分です。 それは、ある程度のモデルになれば、感度切替が何段階かあって、それをどのレベルに設定するかで、感度は結構変わってきます。 とくに、先ほど説明したように、感度だけでなく反応速度というか、時定数を変更することもあるので、低レベルの感度に設定している場合は、ステルスは当然のこと、Hシステムでも反応しない探知機も結構あります。 問題は、そうしたモデルを高感度に設定していても、エンジンを切った場合に、基本設定に戻る機種があるのです。 するとどうなるかというと、基本が低レベル(だいたいそうです)の場合、エンジンを切ることによって、感度が一番低めの設定になり、そのまま走行するとHシステムさえ検知できなかったという場合さえあるのです。 意外なようですが、結構有名なメーカーで、こういう状態のものもありますから、注意が必要なのです。 こうしたように、何かあっても、トラブルを増加するようなロジックになっていないモデルを選ぶことが、探知機選びにはとても大切な要素なのです。 {おまけの基準} レーダー探知機は、デリケートな電子製品です。 それなのに、最悪な?環境で使用されています。 振動だけでなく、熱も直接浴びやすく、こういったことは、電子部品の性能を劣化させる大きな原因です。 以前は、夏の朝と昼では、感度が全く違ったという探知機など珍しくなかったのです。(もちろん熱を持つ昼間のほうが感度が悪い) そうでなくとも、長期間使用することによる劣化というのは、結構メーカーにより傾向があります。 だから、これもカタログなどでは判断できないのですが、何年も使用する探知機としてはとても大切な判断基準なのです。(2003.10.9追記 以前に比べて熱的な影響度は少なくなっているために、ソーラータイプが主流になっております) また、それ以外にも、車内に熱を侵入させないために、フロントガラスに鉄粉を混ぜたガラスを採用している車には、バイザーや吸盤取り付けタイプは使用できません。 たかだか、ホームセンターでも売られているレーダー探知機ですが、こういうふうにいろいろな基準で選ぶことがとっても大切です。 ここでは個別の比較はおこないませんが、具体的な比較については、遠慮なくご相談ください。 |