031-014 VICS表示がされなくなるのはナゼ
{質問}
 私のナビゲーションはVICSが登場した96年に購入したモデルなのですが、先月から首都圏でレベル3を表示できない場所があります。
 最初は、たまたまその時に受信しなかっただけかと思ったのですが、その後もその場所だけは渋滞情報を表示しません。
 参考までに、私はソフトのバージョンアップはおこなっていないのですが、何か関係があるのでしょうか?
 GWなど部分的にひどい渋滞になる時には、VICSの渋滞情報はありがたいデータですよね。
 私も広島近辺で慢性渋滞と言われる場所に、たまたまピーク時に通りかかりましたが、VICS情報によるルート変更(自動で行われます)のおかげで、それまで探検しなかった回避ルートを見つけることができました。
 ところでご存知の無いかたのいらっしゃると思いますからレベル3についてまず説明しておきましょう。

{レベル3とは}
 レベルに3があれば、1や2があると思うのは当然でしょう。
 そこで1.2.3についてカンタンに解説すると、
*レベル1⇒文字情報
*レベル2⇒簡易図形情報
*レベル3⇒地図情報
 となります。
 文字情報というのは、浅草通り西行き押上駅前から駒形橋西 渋滞2.0KMというような、まさに文字だけの表示で、簡易図形というのは、道路だけの概略図を表示して、そこに赤や黄色で線を引いたり工事中のマークを表示しています。
 これら2つの情報は、VICS対応でビーコンなどのセンサーを設置しておけば、すべての情報をビーコン側などから発信するので、いついかなる道路の変更や新設があっても問題ありません。
 ところがレベル3の地図情報となるとそうはいかなくなります。
 この地図情報とは、ナビゲーション地図上の主要道路のヨコに、赤(渋滞)黄色(混みあう)緑(スムーズな状況)の線を表示して自分の周りの道路状況が一目でわかるようになっているのですが、最初に説明したレベル1.2と違い、その道路の情報をナビ側が所有して、その時の混雑状況だけをFMの電波によって送り込まれ、送り込まれた道路ごとの情報を、道路ごとに決められた認識番号でチェックしながら該当する道路の部分に表示させていくようになっているのです。

{表示できない理由}
 したがって、道路の認識番号が無い場合は、当然そのデータは表示できないのです。
 しかし、新しい道路ならともかく、これまで表示されていた道路がなぜ表示されなくなったのでしょうか?
 例えばA地点からC地点まで交差点の大きな交差点の無い道路があったとしましょう。
 そしてその区間には認識番号として101が与えられているとします。
 VICSレベル3対応のナビゲーションであれば、受信した道路データの中から認識番号101の区間の混雑状況を地図上に表示するために、ナビの画面で見えるわけですが、その区間中に新しく大きな道路が横断してA地点からB地点とB地点からC地点までに区切られたとしましょう。
 この新しく横断した道路が生活道路であれば、そのままVICS上では、これまでと変わりない道路と考えてデータを取り込んでも渋滞情報を表示すると言う意味では問題は無いのですが、バイパスとか主要な道路となると、当然さきほど書いたように2つの区間に分けた情報が必要になるわけです。
 したがって、例えばA地点〜B地点までを認識番号102、B地点〜C地点までを認識番号103として改めて区分けしてからデータを提供するようになります。
 ところが、受信する側には認識番号102と103の道路と言うのは、ナビのソフトに入っていないので表示できないのです。
 それを防ぐために、当初からの約束で、新しく区分けし直した道路であっても、古い区分けのデータを3年間は提供するというルールが決められているのです。
 したがって、VICSサービスが始まった96年の翌年に改定された道路は変更されて3年が経過するために、それまで提供していた古い道路としてのデータの提供が打ち切られるために、そのままのソフトでは表示できなくなったのです。
 では、どうすれば良いかという対処法ですが、最新のソフトにバージョンアップすればカンタンに解決します。
 もともとナビゲーションは、地図による案内なので、常に最新のソフトを使うのが一番良いのですが、VICS利用の場合は、こうした問題もありますから、時々はバージョンアップされたほうがいいと思います。


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