010-024 | スペアタイヤは搭載していないと違反になるの? |
メルマガ「クルマとカー用品の常識 ウソ? ホント?」第13号掲載 |
スペアタイヤは、搭載していないと違反になるの? |
車は、製造するだけでなく、使う上でも法律にガンジガラメにされており、最初から搭載されている装備や部品についても、常に搭載されていないといけないという認識があるますよね。 今回は、その1例ですがスペアタイヤは搭載していないといけないのかどうかという疑問です。 昔は、道路だけでなくタイヤも品質が悪く、パンクするのは日常茶飯事とまでは言いませんが、わりと見かけることが多かったのですが、最近はどうでしょう? 特にスチールラジアルタイヤが標準装備されるようになってからというもの、例えクギが刺さっていても、構造上空気が抜けなかったということも多く、パンクしてスペアタイヤに交換された経験というのは非常に少なくなっているのではないでしょうか? 私自身も、免許を取ってから、自分の車で30万キロくらい走行していますが、いわゆるパンクでスペアタイヤのお世話になったというのは、ホンの2回だけで、最後にお世話になってから、すでに9年以上過ぎています。 多分これは私だけでなく、皆さんにも言えることだと思います。 10年余り前から、スペアタイヤがスペースセーバータイヤと言って、今トランクなどのスペースに入っている「へなちょこ」タイヤに変わったのは、何もコストだけが原因ではなく、使う機会が非常に少なくなっているスペアタイヤを設置するスペースを少なくして、トランクを使いやすくしたり軽量化を図りたいということで採用されたわけなのです。 したがって、あんまりスペースを取るほどのタイヤでもなくなったために、「スペアタイヤを降ろせば、この荷物が積めるのになぁ」と感じられることは少ないとは思いますが、そういうようなときに、スペアタイヤを車から降ろして荷物を積んで走行してはいけないのでしょうか? さて、新車を購入されるときには、多分みなさんカタログをじっくり眺め、一番最後に表になっているスペックシートのデータもチェックされることも多いと思うのですが、その車両重量について考えてみましょう。 車両重量とは、どこからどこまでを指すのかというと、燃料は満タン、車載工具やジャッキ、そして実はスペアタイヤも対象外なのです。 したがって、普段は車両重量より重い状態(満タン時)で使われているのです。 さて、なぜスペアタイヤなどが車両重量に含まれていないかというと、法律的には特に搭載を義務付けられた装備ではないからなのです。 したがって、スペアタイヤを降ろした状態で走行しても違反にならないどころか、車検だって問題なく合格します。 もっと言えば、いろいろな改造(キャンピングカー登録をはじめ構造変更とされるような内容)を行った車を登録する場合には、車両寸法、重量なども再測定しなければいけないのですが、その時に測定するための陸運支局のラインに入る前には、必ずジャッキやスペアタイヤを取り外してから測定するくらいなのです。(私は昔、ディーラーで構造変更も担当していましたから、頻繁に測定ラインに入っていました) では、ナゼ標準装備されているのでしょうか? それは、昔からの慣習で搭載されているだけなのです。 いわば、通常の運転に必要なものではないけど、あったほうが良いとされる装備であって、言うなれば標準装備のオーディオみたいな法律とは関係無い存在なのです。(ただし、標準装備のオーディオは車両重量に含まれていますから、ある意味、一番法律に関係しない部品といえるかも知れません) というワケで、今回の疑問への回答は「ウソ」です。 万一、スペアタイヤを取り外さなければ積めない荷物があるときには、安心して取り外して荷物を運んでください。 ただし、スペアタイヤが登場するのは、パンクだけでなく縁石にホイールをぶつけて変形して空気が抜けるなどということもありますから、あくまでも緊急対応として、なるべく搭載することを心がけてくださいね。 それと第1号?でお届けしたように、冬以前に空気圧調整をして、そのままのタイヤは空気圧がかなり低くなって、操縦性が悪いだけでなく、燃費や高速走行時に過熱してバースト(タイヤが破裂すること)を引き起こす原因にもなりますから、空気圧のチェックもお忘れなく! |